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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.737:10年ぶりに訪れたグアムは韓国人のリゾート。なぜ日本経済は韓国に追い抜かれたのか?


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            山田順の「週刊:未来地図」                 

                          No.737 2024/08/27

       10年ぶりに訪れたグアムは韓国人のリゾート

      なぜ日本経済は韓国に追い抜かれたのか?

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 日本人より韓国人のほうが豊かで、積極的に人生を楽しんでいる。そんな時代がやってきたことを、グアムに来ると実感せざるをえない。約10年ぶりに訪れたグアムは、まさに韓国人のリゾートアイランドになっている。

 グアムの入国者数の統計を見ると、韓国人は日本人の倍以上で、どこのホテルも圧倒的に韓国人が多い。すでに、1人あたりのGDPでは韓国のほうが上だから、これは当然の結果か。

 いったいなぜ、こんなことになってしまったのだろうか? なぜ、日本経済は韓国経済に追い抜かれてしまったのか?

[目次]  ─────────────────────

■グアム来てあらためて驚く韓国人の多さ

■初めてグアムに来たのはバンドの公演ツアー

■1970年代の新婚旅行先No.1はグアム

■韓国人も日本人も戻って来ないのでヒマ

■コロナ禍前は毎年150万人が訪れていた

■直航便の数は韓国のほうが圧倒的に多い

■すでに実質的な豊かさでは韓国のほうが上

■人材の国際ランキングに見る日韓の差

■人材の差、教育の差が日韓の給料の差になった

■このままでは日韓の差はますます開く

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■グアム来てあらためて驚く韓国人の多さ

 

 私はいまグアムに来ている。この原稿を、タモン湾を見渡すホテルの部屋で書いている。

 前回は2015年5月。このときは、後腹膜繊維症による尿管狭窄で「尿管ステント留置手術」を受けた直後だったが、妻と娘が先に行っていたため、医者のストップを聞かずにやって来た。

 あれから10年弱。月日はあっという間にすぎた。娘は結婚し、孫娘が生まれた。今回は、その娘と孫娘(2歳2カ月)と家内の4人の家族旅行。娘の夫がフィンランドに戻っているので、その間、孫娘を南国のビーチで遊ばせたいと、やって来た。私は孫娘のお守り役兼お遊び相手。

 グアムに来て驚くのは、日本のほうがはるかに暑いということ。気温は高いが、雨季なので、1日中晴れていないし、スコールも来る。スコールの後は涼しい風が吹く。

 ただ、そんな気候のことより驚くのは、あらためて実感する韓国人の多さだ。

 前回は、ヒルトンに泊まり、宿泊客の半数ほどが韓国人だったことに驚いたが、それでも3分の1は日本人だった。

 それが、いまやどのホテルでも韓国人のほうが断然多く、日本人は少ない。そのため、街の標識もレストランのメニューもハングル表記が目立つ。グアムはいまや完全に韓国人のためのビーチリゾートと言っていい。済州島と見紛うほどだ。

 

■初めてグアムに来たのはバンドの公演ツアー

 

 私たち家族がいま宿泊しているのは、クラウンプラザ。

 ここは、以前はフィエスタ・リゾートで、その前は日本資本が経営する第一ホテルだった。このように、タモン湾沿いホテルの多くが、経営母体が変わり、それに伴って名前も変わっている。

 ここクラウンプラザは、2022年11月にIHGブランドとなってフルリノベーションが行われた。娘夫婦がIHGの会員なので、ここを予約した。

 私が初めてグアムに来たのは、1978年。当時、音楽欄を担当していた関係で、音楽関係の業界仲間とサーフライダーズ(ワイルド・ワンズのドラマー植田芳暁氏が結成した新バンド)の現地公演に合わせてツアーを組んでやって来た。

 そのとき、数人でフィッシングボートを借りて、生まれて初めてカジキマグロを釣った。大物だったので、現地の新聞にも写真が載った。

 

■1970年代の新婚旅行先No.1はグアム

 

 1970年代当時、グアムのホテルはほとんどが日本人観光客向けで、日本資本のホテルが多かった。代表的なのはフジタタモンビーチホテル。巨人軍のグアムキャンプの宿泊先だったが、いまはもう跡形もない。

 私が泊まったことのあるホテルは、このフジタホテルと、PIC(パシフィックアイランドクラブ)、リーフ、ハイアットリージェンシー、ニッコー、ヒルトン、マリオットなど。訪れるたびに宿泊先を変えて家族でビーチライフを楽しんだ。いちばんよく泊まったのはヒルトンで、以前、娘の同級生がマネージャーをしていた。

 ハワイは夏に長期滞在。グアムは、ほかの季節に1週間ほどの短期滞在という具合だった。

 いまは閉鎖されているが、いちばん記憶に残っているのが、ココスアイランドリゾート。2歳になったばかりの娘を連れて、この小さな島で、1週間ほどコテージに滞在してビーチライフを満喫した。娘は水着を着るのを嫌がり、着せると自分で脱いで、裸で波打ち際を駆け回った。

 もともとグアムは、日本人向けに観光開発が行われた。1960年代半ばから1970年代半ばにかけて、タモン湾沿いに日系ホテルが次々と建設された。当時の日本経済は絶好調で、高度成長期が続いていた。

 調べてみると、1970年代は、新婚旅行先No.1がグアムだった。宮崎からグアム、そしてハワイへと人気先は移った。新婚旅行ブームが去った後は、若者たちのリゾートライフ、ビーチライフの人気地となり、その後、ファミリー向けの海外旅行の人気地となった。

 

… … …(記事全文6,574文字)
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