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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.719:あるのか「6月解散、7月総選挙」。政権継続でも交代でも日本の衰退は加速する


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         山田順の「週刊:未来地図」                 

                      No.719 2024/05/07

   あるのか「6月解散、7月総選挙」

 政権継続でも交代でも日本の衰退は加速する

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 政局に関しての予想記事は、政治記者の主戦場だ。これを見事に当てて一人前とされる。しかし、いまほど政局記事が難しいことはない。先がまったく読めないからだ。

 そこで、いまも根強くある「6月解散、7月総選挙」説を検証し、もしそうなったら、そのときなにが起こるのか? 日本の政治・経済はどうなるのか?を考えてみたい。

 私の予想では、なにがあっても日本が改革・再生されることはない。自公政権が続こうと、野党連立政権ができようと、なに一つ変わらず、日本の衰退は加速する。

[目次]  ───────────────────

■あらゆる状況が「解散なし」を示している

■超楽観、鈍感の首相だけにやり兼ねない

■解散したら自公は過半数割れで下野は確実

■東京、神奈川で大物、幹部が続々落選

■裏ガネと岸田不人気の影響を受けて落選必至

■西日本でも激戦から落選者が続出する

■維新次第で決まる次期政権のかたち

■問題は選挙結果より、投票率の異常な低さ

■改革できる人がいなければ改革は無理

■野党側にハードランディングする勇気なし

■アベノミクスの大失敗を総括できるのか

■「戦犯」を断罪し、政府、官僚組織から追放せよ

■混乱に陥ったときにポピュリズムが台頭する

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■あらゆる状況が「解散なし」を示している

 

 自民党は、大方の予想通り、先の衆院3補欠選挙で不戦敗を含めて全敗した。とくに、「保守王国」である島根1区では、完敗と言っていい負け方だった。

 そのため、解散・総選挙など、もはやできようがないという見方が一気に広がった。実際、選挙後に解散について聞かれた岸田文雄首相は、「まったく考えていない」と言い切った。

 今後、国会は、政治資金規正法の改正に関する本格的な論議に入る。示された自民党案はザル法案だから、難航は必至。また、内閣支持率もどん底は脱したものの、低迷を続けている。

 さらに、裏ガネ問題に怒った公明党は、山口那津男代表が「(なによりも)信頼回復が当面重要だ」と、解散には全面的に反対の姿勢を示している。

 したがって、現状からは、9月の自民党総裁選で岸田退陣、その後、総選挙というシナリオしかない。しかし、そうとは言い切れないという見方もある。

 

■超楽観、鈍感の首相だけにやり兼ねない

 

 自民党幹部の一人は、「岸田は総裁再選、続投を簡単に諦めるような男ではない。このあと、政治資金規正法で野党案を飲み込み、6月実施の定額減税をバネにして、起死回生の解散に打って出るかもしれない。彼ならやり兼ねない。サプライズが好きだからね」と言う。

「しかし、解散したら自公過半数割れで、政権交代まであるのでは?」と聞くと、「いや、彼は超がつく楽観、鈍感男男だから、やり兼ねないのだよ」と言うのだ。

 確かに、先の訪米で、バイデン大統領から国賓という厚遇を受けて上機嫌になり、さらに、連邦議会でのスピーチが好評だったことで舞い上がっているので、解散・総選挙の可能性はないとは言えない。

 この幹部は、さらに次のように続ける。

「考えられるのは、6月13〜15日のイタリアG7サミット後だ。『外交の岸田』と言われるのがお気に入りで、本気でそう思っているから、いくら周りが止めようとやるんじゃないかな」

 6月23日に、今国会は会期を終える。その直前に野党側が内閣不信任案を出すことも考えられている。それもあって、現在、岸田首相の頭のなかは、会期末解散であるという。となると、「6月25日公示、7月7日投開票」という案が有力で、ここで、日本の政治・経済は“激動”することになる。

… … …(記事全文7,548文字)
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