━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山田順の「週刊:未来地図」 No.018 2013/01/08 スーパークラス、超富裕層の「ハイライフ・カレンダー」を公開!(前編) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013年が明けて1週間がたちました。 すでに、みなさんは、今年のカレンダーを見て「どんな年にしようか?」と考えたのではないかと思います。そこで、今回と次回で、特別なカレンダー を紹介します。これを私は「ハイライフ・カレンダー」と呼んでいます。 このカレンダーにそって、スーパークラス、超富裕層は1年間をすごします。 [目次] ──────────────────────────────────― ■一般人が持つカレンダーとは違うものを持つ人々 ■世界を動かすことができる6000人のスーパークラス ■ソニーの故・盛田良夫氏は間違いなくスーパークラス ■スイスの名門ボーディングスクール「ル・ロゼ」 ■スーパーリッチはみな同じようなことをしている ■富豪たちの1年はまずスイスから始まる。なぜ? ■世界的な大富豪ともなるとスイスに山荘を所有 ■冬を避けて常夏の楽園となったドゥバイへ ■カレンダー前半のハイライトはロンドンとモナコ ■「オテル・ド・パリ」の予約は1年前でも無理 ■競馬、ヨット、映画祭、ファッションショー ■「セレブ」と「セレブ文化」とはいったいなにか? ───────────────────────────────────――― ■一般人が持つカレンダーとは違うものを持つ人々 誰もが新年を迎えると、カレンダーを見ながら、今年はどうしようか?と考える。日本人ならとくに、「GWはどうしよう?」「 夏休みはどうしよう?」などと、これから始まる1年間に思いをはせる。 私も同じだ。かつて会社員だったころは、カレンダーを見て、まず、GWの休日の並び方を確かめ、「何日間休めるだろうか」と考えた。 しかし、あるときから、こんな自分とは全然違う見方でカレンダーを見ている人々の存在を知った。この世界は、スーパークラスと呼ばれる約6000人の人々によって、動いている。この人々と、その周囲にいる人々、いわゆる超・富裕層(スーパーリッチ)の人たち数万人が、この地球上のすべてを握っているのだ。そして、彼らは、私たちとは全然違うカレンダーを持っているのである。 ■世界を動かすことができる6000人のスーパークラス 試みに、このカレンダーを私は「ハイライフ・カレンダー」と呼んでいる。ふつう、英語で「ハイライフ」(high life)と言うと「上流生活」と訳すので、「上流生活カレンダー」と言えばいいだろうか。「ハイライフ」を、もっとくだけて言うと「最高の暮らし」ということになる。 スーパークラスの人々とその周囲の人々にとって、世界に国境はない。そのため、彼らはそのときどきの「最高の地」で「最高の暮らし」を楽しんでいるのだ。ハイライフ・カレンダーはそのためのカレンダーである。 スーパークラスとは、アメリカのジャーナリストデヴィッド・ロスコフ氏が書いた『超・階級 スーパークラス』(光文社 2009年6月刊)で、使われた言葉だ。ロスコフ氏は、コロンビア大学のジャーナリズム大学院卒でジャーナリストになり、政府に入って商務省国際貿易担当副次官も経験。その後、あのキッシンジャー氏の下で働き、世界中の重要人物との間に人脈を築いてきた。 そうしたなかで、世界各国の政財界、軍、宗教界などで活躍する指導者を数多くインタビューし、詳細な研究調査によって行きついたのが「スーパーラス」である。スーパークラスは、現代の権力共同体と言ってよく、この人たちは常に連絡を取り合って、同じように動いている。 ロスコフ氏は、スーパークラスをおよそ6000人としている。 ■ソニーの故・盛田良夫氏は間違いなくスーパークラス では、日本人でそんなスーパークラスに属する人はいるのだろうか? 日本は世界第3位の経済大国だけに、当然いる。しかし、その数は少ない。私が知っている例では、たとえば、すでに故人になったが、ソニーの盛田昭夫氏などは、間違いなくスーパークラスだった。 私はハワイのカハラにある盛田氏の別宅を訪ねたことがあるが、すでに盛田氏は病床に伏し、取材ができない状態だった。 ただ、このとき応対していただいた良子夫人は、「ここに、先日、マライヤ・キャリーが来てくれました。また、先週はマイケル・ジャクソンが泊っていきました」と言った。 このとき、私はまだ中学生だった娘を連れていたので、娘がびっくりして私の顔を見た。娘は、ハワイにいる知り合いのおばさんの家に行くとだけしか思っていなかったからだ。「パパ、ここの家なに? あの人誰?」と、私の耳元でささやいた。… … …(記事全文9,463文字)