ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2019120908224761516 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2019/12/09 第2010回 中国貿易統計と海外投資スキーム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★中国貿易統計 予想外の輸出の減少が継続、輸入は増加、原因は食品価格の高騰であり、豚コレラによる豚肉などの輸入を増やしたからだと思われます。実体経済が悪化する中で、食品価格が高騰する。スタグフレーションが発生していると考えられるわけです。中国としては貿易交渉のカードとして、食品の輸入を利用しようとしていますが、追加で大量の大豆や畜産物を輸出できる国は米国以外になく、カードにはなりえない。同時に外貨準備の減少が発生しており、中国企業などが持つ海外資産の売却が一段落したものと思われます。すでに海航集団や安邦保険など実質破綻した企業グループの資産の処分が進んでおり、すぐに売れるものが少なくなってきた可能性があります。また、香港問題の悪化で香港でのドル調達も難しくなってきたということなのだと思います。 それでも中国は一帯一路を進めようとしていますが、海外投資は人民元だけでは難しく、ドル調達ができなくなると、投資が難しくなる。中国の場合、中国企業を参入させ、人や物資を送り込む形での投資が中心ですので、中国企業に国内で人民元で払い、それを継続させることが可能ですが、現地での物資調達などには外貨が必要であり、ここの部分で問題が出るのだと思います。… … …(記事全文3,006文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)