… … …(記事全文2,611文字)<硫酸が不足すれば、銅鉱山生産が落ち込む>
イラン戦争に伴う原油・石油製品の供給不足は、広範囲にわたる石油化学産業に影響を及ぼし、その石油化学製品のユーザーの活動にも混乱が広がっている。その一つに「硫酸」がある。硫酸は「産業の米」とも言われるように、世界で最も多く流通している基礎化学製品の一つである。一般的には劇物のイメージも強いが、実際の用途は農業、工業、鉱業、繊維業など幅広く、経済活動に必要不可欠なものになっている。
特に、足元では銅鉱山生産への影響が懸念され始めている。すなわち、硫酸の供給制約の高まりが、銅の供給リスクに転換し始めているのだ。硫酸は銅鉱山の様々な過程で使用されているが、特に銅鉱石から銅を精錬する際に必要不可欠なものになっている。掘削された銅鉱石は、そのままでは銅地金を製造できない。このため、鉱石から銅成分を取り出す作業が必要であり、野積みの銅鉱石に硫酸などをかけるヒープリーチング、粉砕した銅鉱石と硫酸を用いて硫酸銅を取り出すタンクリーチングなどのプロセスで、銅を抽出している。
