… … …(記事全文2,777文字)<米中対立警戒で60ドル割れ>
NYMEX原油先物相場は1バレル=60ドルの節目を下抜き、10月14日安値は57.68ドルに達した。8~9月は62~66ドルをコアとしたボックス相場が続いていたが、依然として原油価格のトレンドは下向きであることが確認されている。4月に付けた年初来安値55.12ドルに徐々に近づいており、5月6日以来となる約5ヵ月ぶりの安値を更新している。
原油相場が60ドルを割り込む直接的なきっかけになったのは、米中対立の激化に対する警戒感だ。マーケットでは今月下旬に韓国で開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に合わせて、米中首脳会談を開催し、米中両国の歩み寄りをさらに加速させる動きが期待されていた。現状では、8月の合意によって11月10日まで両国が追加関税の一部を停止した状態にあるが、停止期限が切れる直前の首脳会談で、合意形成を進めることは可能との見方が優勢だった。