□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年11月30日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== FRBに先行して利上げ停止論を織り込むマーケット、冷静に経済指標を読み取りたい =================================== <FRB議長、副議長の講演を受けて> 米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクル停止に関する議論が活発化している。足元の米経済は依然として好調状態を維持しているが、世界経済の減速が米経済を下押しする兆候が増える中、FRBのみが積極的に利上げを継続できる時代は終りを迎えるとの見方だ。 この議論はここ最近になって突然に始まったものではなく、2015年12月に最初の利上げに着手してから既に3年にわたってテーマ化されているものである。FRBは利上げに着手しているものの、マーケットでは経済成長やインフレの長期見通しに対して慎重な見方が強く、米国債市場では長短金利スプレッドの縮小という形で、こうした議論の影響が顕在化していた。未だフラット状態は実現していないが、米国債の2年物と10年物の利回りスプレッドは年初の0.5%台に対して足元では0.2%割れ目前の状態に迫っており、「利上げを継続するFRB」と「利上げ継続に懐疑的なマーケット」との違いが解消されるには至っていない。利上げ停止議論は常にマーケットがFRBに先行した状態にある。… … …(記事全文4,109文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)