□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年05月25日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 世界の供給不安で強含むトウモロコシ、400セント台で農家の売却意欲は強いが =================================== <今季は天候リスクに強めの反応> CBOTトウモロコシ先物相場は4月下旬から1Bu=400セントの節目を巡る攻防を続けていたが、5月17日の取引では一時412.25セントまで上値を切り上げ、中心限月ベースでは昨年7月12以来となる約10カ月ぶりの高値を更新している。昨年の受粉期にホット・アンド・ドライ(高温乾燥)によるイールド低下懸念で付けた高値が417.25セントだったが、今年は作付けシーズン中盤において早くも400セント台確立が進んでいる。 底流にあるのは作付面積や期初在庫の減少に伴う2018/19年度の需給引き締まりに対する警戒感である。米農務省(USDA)5月需給報告では、米国産の期末在庫は前年度の21.82億Bu(在庫率は14.8%)から16.82億Bu(同11.5%)まで22.9%減少する見通しであり、例年よりも不作リスクに対して敏感に反応せざるを得ない状況になっている。現時点で深刻な需給ひっ迫状態が想定されている訳ではないが、天候リスクの許容度が大幅に引き下げられる中、価格に対して押し上げ圧力が強まり易い状況にある。前年同期の価格水準が370~380セント水準だったことと比較しても、トウモロコシ市場に広がる危機感の強さが窺える。… … …(記事全文4,052文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)