□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年05月01日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== イラン核合意崩壊の危機強まる、原油市場は供給不足化のリスクも想定 =================================== <イスラエルがお膳立てする核合意離脱> 米国の対イラン制裁解除を継続するか否かの期限を5月12日に控える中、やはりイスラエルが動き出した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は4月30日、イランによる秘密裡の核兵器開発計画に関する新たな「証拠」を入手したと発表したのだ。この発表はテレビで生中継され、動画やスライドを多用する一方で、「数週間前に、卓越した諜報活動の成果」によって数万件の関連書類を入手したとして、その写しとされるファイルやメディアを並べた棚も公開された。 このテレビ放送をみてみると、スライド一面に「Iran Lied(イランは嘘をついた)」とだけ記した感情的なものから、アラビア語で書かれた核兵器プログラムの証拠となる図表、写真、動画の解説まで、大統領自らが熱を入れた解説を行っている。2015年の核合意後にイランが核兵器開発に動いた証拠は提示されることはなかったが、トランプ米大統領の核合意離脱の決定を後押しする意思があるのは明らかだろう。既知の情報を大々的に発表しただけとの批判もあるが、目的がイラン核兵器開発の現状を解説することではなく、米国のイラン核合意離脱を促すことにあることを考慮すれば、文書の内容はあまり問題にならない。あくまでも政治イベントに過ぎないことが重要だ。… … …(記事全文3,904文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)