□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年04月25日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 低迷続くコーヒー相場、ブラジルの豊作とレアル安で投機売り解消されず =================================== <ブラジルの驚異的な豊作を織り込む> 今年は原油を筆頭に強含みの推移が目立つコモディティ市況であるが、コーヒー相場はほぼ一貫して低迷状態を続けており、急落こそみられないが緩やかなペースで下値を切り下げる展開を繰り返している。焙煎用のアラビカ種であるICEコーヒー先物相場の場合だと、年初の1ポンド=126.00セントに対して、4月17日に付けた直近安値は115.30セントに達しており、約4ヵ月半で8.5%の下落率を記録した状態にある。もう少し視点を広げると、2016年12月の176.00セントをピークとしたダウントレンドが形成されているが、現在の値位置は16年3月以来の安値圏になる。 こうしたコーヒー相場低迷の背景として要因を一つ挙げるとすれば、世界のコーヒー生産の30%強をカバーするブラジルの豊作環境になろう。ブラジルのコーヒー生産ステージは11~12月期前後に開花期を迎え、5~9月前後に収穫期を迎えることになる。他の農産物と比較して生産ステージが段階的に進むことで、重要時期が集中する穀物と比較して天候相場のインパクトが大きくなる傾向にあるが、2018年生産分に関してはほぼ理想的な生育環境が実現したことが、豊作期待を高めている。もともと、偶数年は表作で増産圧力が強まり易いタイムサイクルにあるが、それに加えて開花期の土壌水分環境が良好であり、結実後の気象環境も近年は頻発している干ばつ状態を回避することに成功している。… … …(記事全文3,754文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)