□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年04月14日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。IEA月報、そしてOPEC月報の重要部分を読み解きます。原油相場は3月の急落から持ち直していますが、市場でも注目度の高いIEAの在庫分析を手掛かりに、石油需給環境・見通しについての理解を深めます。 =================================== IEAは石油需給の均衡化は近いと宣言、それでも上げきれなかった原油相場 =================================== <必要なかった3月の原油安> NYMEX原油先物相場は、1バレル=50ドル台前半のレンジに回帰している。1~2月にかけては50~55ドルをコアとしたレンジで強弱感が交錯する不安定な地合になったが、3月に入ると米原油在庫の積み上がりから「需給リバランスは失敗した」とのネガティブな評価が広がり、一時47.01ドル(3月22日)まで下落していた。しかし、その後は米在庫評価の改善、更にはシリア情勢を巡る地政学的リスクの高まりから買い優勢の展開に転じ、3月7日以来となる約1カ月ぶりの高値圏まで回帰している。 米国内に過剰在庫が存在することは間違いなく、米エネルギー情報局(EIA)によると直近の4月7日時点で前年同期の5億0,520万バレルを2,820万バレル上回る5億3,340万バレルもの在庫が報告されている。その意味では、3月の原油相場急落について全く理解することが不能という訳ではないが、これについては製油所メンテナンスが例年よりも長期化したという特殊要因の影響が大きく、その分だけ石油製品在庫には減少圧力が発生している。原油と石油製品を合計した石油在庫全体との視点であれば、2月10日の4億2,910万バレルが今季のピークであり、その後は8週連続で在庫の取り崩しが進み、直近では3億8,640万バレルまで減少している。前年同期は4億0,330万バレルであり、原油ではなく石油在庫としてみれば、前年同期を4,270万バレル下回っている。こうした点からも、3月に支配的だった「需給リバランスは失敗した」との分析は誤りであり、その後の原油相場リバウンドについては必然的な結果だったと評価できる。… … …(記事全文4,623文字)
