□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年04月05日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金価格について、余り一般的にはみかけないCRB商品指数との比較を巡る議論を紹介します。過去の関係性を巡るデータなどと比較すると、現在の政治リスクのプレミアムについても、ある程度まで精度の高い政治リスクのプレミアムを試算することが可能になります。 =================================== 金価格に加算された政治リスクは何ドルかを試算する =================================== <CRB商品指数との比較でみた金価格> 2017年1~3月期のコモディティ市場では、貴金属相場のパフォーマンスの良さが目立った。ロイター/CRB商品指数が前期比3.3%安となったように、同期間のコモディティ相場は全体的に軟調な値動きになっていた。特に目立ったのが3月上旬に急落したWTI原油価格の5.8%安だが、農産物価格もトウモロコシ(3.5%高)や小麦(4.5%高)といった飼料穀物が堅調に推移する一方で、大豆が5.8%安と急落するなど、明確なトレンドを打ち出すことができなかった。しかし、金は8.6%高、銀は14.2%高、プラチナは5.2%高、パラジウムは16.8%高と、貴金属相場はいずれも良好なパフォーマンスを実現することに成功している。 一般的には、コモディティ価格全体と金価格の値動きとの間には、一定の連動性が認められることになる。コモディティ価格動向はインフレ環境(見通し)とも強い連動性があるため、購買力指標としての観点では、金価格はコモディティ価格とのバランスを取る形で価格水準が決定されるためだ。特に、量的緩和の規模拡大にブレーキが掛かり、代替通貨・安全通貨としてのプレミアム加算の必要性が薄れる中、通貨的な視点では、金価格が他コモディティ価格動向を大きくかい離した値動きをする必要性は薄れている。金価格とロイター/CRB商品指数の比価ベースだと、概ね4.5~6.0倍の間でバランスを取る動きが、金価格を決定づけていた。その意味では、2014~15年の金価格軟化は原油安にけん引されたコモディティ価格全体の値下がり傾向と連動したものであり、16年以降のリバウンドはコモディティ価格の底入れ傾向と連動した動きとの解釈も成立し得ることになる。… … …(記事全文4,616文字)
