□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2014年08月18日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。先週に公表されたIEAの8月月報が、原油価格の新たな下押し材料として注目されています。メディアでは、IEAが需給の安定を指摘したことが大きく報じられていますが、IEAがどのような需給見通しを構築し、その上でどのようなロジックで需給安定化見通しを示したのかを検証します。結論としてはIEAの需給分析は楽観的に過ぎると考えていますが、IEA月報への反論の形で年末に向けての原油需給・原油価格の見方を解説します(3,092文字)。 =================================== 余りに楽観的に過ぎるIEA需給見通し、本当に供給不足は発生しないのか =================================== <新たな弱気を誘ったIEA月報> NYMEX原油先物相場は、6月13日の1バレル=107.68ドルをピークに、8月14日には一時95.26ドルまで下落した。2ヶ月で最大12.42ドル(11.5%)の下げ幅を記録した形になっている。ウクライナ、イラク、イスラエル、リビアなどグローバルな規模で地政学的リスクは高まっているが、リスクプレミアムを加算できない所か、逆に明確なダウントレンドを形成しており、既にウクライナ情勢の緊迫化が伝わる前の価格水準に回帰している。ブレント原油相場に至っては、昨年11月以来の安値を更新しており、急騰地合を形成していた6月とは相場環境が180度転換している。 背景にあるのは、国際原油需給バランスの大幅な歪みは阻止できるとの楽観ムードである。北半球が需要期入りする年後半は、季節トレンド的に需給引き締め圧力が強まり易いが、今年は大きな問題なく乗り切れるのではないかとの見方が、原油相場を下押ししている。 こうした分析の象徴とも言えるのが、国際エネルギー機関(IEA)が8月12日に公表した8月月報(Oil Market Report)である。… … …(記事全文4,107文字)
