□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2014年08月12日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金価格は膠着状態が続いていますが、今回は主に米国の実質金利環境から金の投資環境を分析します。米国債と金は比較されることが多い安全資産ですが、米国債の実質利回り環境は、金価格の投資環境が強気か弱気かを判断する重要な指標になり得ます。また、フィッシャーFRB議長の発言内容、アングロ・ゴールド・アシャンティの決算などについてもポイントを紹介します(3,852文字)。 =================================== 米実質金利からみた金の投資環境、同じ安全資産である米国債との比較 =================================== <米実質利回りとドル建て金価格> COMEX金先物相場は、1オンス=1,300ドルの節目を挟んでのポジション調整が継続している。7月10日の1,346.80ドルをピークに、8月1日には1,281.00ドルまで、累計65.80ドル(4.9%)の急落となった。1)ドル高、2)原油安、3)米利上げ前倒し観測などが複合的に金価格を押し下げた形である。ただ、その後は再び1,300~1,325ドルのレンジに回帰するなど、明確なダウントレンドを形成するには至っていない。短期スパンでは乱高下が繰り返されているが、一歩引いてみれば1,300ドル水準でのボックス相場が4ヶ月以上にわたって続く方向性に乏しい相場環境が維持されている。 こうした相場環境に陥った最大要因は、「利上げ前倒し観測」と「米長期金利の低下」という整合性の取れない相場環境に尽きると考えている。7月29~30日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用とインフレの双方について当局者の警戒感が薄れていることを示唆する内容になった。雇用に関しては、失業率の「高止まりしている」との文言が削除され、「労働資源の活用不足が著しい」点に当局者の関心がシフトしていることが示されている。また、インフレに関しては「目標の2%を恒常的に下回り続ける可能性はやや減った」とされており、いずれも利上げに向けての地ならしが着実に進展していることを示す状況になった。… … …(記事全文5,037文字)
