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<Vol.1418号:日曜増刊:30年ぶりに金利のある世界へ>
2024年3月17日:理論的にはインフレと金利ホームページ https://www.cool-knowledge.com
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著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治
日銀が、マイナス金利の解除を決定しました。世界で日本だけが、政策金利がマイナス0.1%だったのです((注)米国は5.25%から5.50%、)。
22年5月までは日本より低い、マイナス0.75%だったスイスフランの政策金利は1.75%に上がっています。マイナス金利を続ける円に対して、2.5ポイントの利上げをしたスイスフランは、1フラン125円(22年3月)から、現在、168円台へと34%上がっています。米ドルよりも高い。
円33%、スイスフラン33%、金33%というポートフォリオ3分法を、5年以上も前から推奨しています。
(スイスフラン/円の推移)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/chf.html
世界で、日本だけマイナスからゼロ金利を続けてきました。「ドル/円の」金利差(イールド)が、短期金利で約5%、長期金利では4%付近のため円が売られ、1ドルが150円台の超円安になっていたのです。
今回の3月利上げでは、銀行預金の金利はゼロ%付近のままですが、0%の金利は異常なものです。
国内及び海外との金融機関同士の短期マネーでは、「貸した側が0.1%の金利を払い、借りた側が0.1%の金利を受け取っていた」のです。普通ならあり得ないことが約30年続きました。
1ドル150円はドル経済が好調なためのドル高ではない。2%のインフレのなかで、本来なら、1%から2%の金利であるべき円の金利がマイナスだったための円安です。
円安とは、外為市場では円売りの超過ですから、円マネーが5%の金利のあるドルを買って米国に流れていたのです。ゼロ金利の円を借りて、上昇期待のあるドル株を買うキャリートレードも円売りです。米英系ファンドが、今日も行っています。年間で20兆円くらいはあります(円売り/ドル、ユーロ買い)。
「金利=名目GDP成長率」であることが、中立的な自然金利です。中立的金利とは、経済取引、資産、株の購入を負債で促進することも、抑制することもない金利です。
2%のインフレのなかのマイナス金利は、過度の金融緩和であり、負債の増加経済を促進します。日銀が0.2%利上げし、0.1%になっても、過度な金融緩和の継続であることに変わりがない。
2%インフレの日本の金利は、本来はスイス並みに1.75%付近でなければならない。しかし日本には、政府が借りてしまった国債が1200兆円もあります。
政策金利(=短期金利)が1.75%に上がれば、長期金利は2.5%になるでしょう。国債の利払いが「1200兆円×2.5%=30兆円」になるため、日銀は1%台の政策金利にも上げることはできない。日本には、負債がGDPの2.3倍の政府財政からの「金利上限」があります。最高でも政策金利1%が上限です。
<Vol.1418号:日曜増刊:30年ぶりに金利がある世界へ>
2024年3月17日:有料版・無料版共通
【目次】
■1.政策金利とは?
■2.利上げの大きな要素だった春闘の賃上げ
■4.金融は談合相場
■5.メディア論:メディアはメッセージ
■6.金利の、金融機関と国民への心理的な影響
■1.政策金利とは?
政策金利とは、中央銀行が、金融市場での債券の売買によって誘導する、短期(1年以内;米国では2年債)の目標金利です。市場は、銀行間での国債の売買によって金利を決めますが、その国債市場に中央銀行が介入して、金利を誘導します(買いオペ、売りオペという)。
市場の金利を、日銀が決めることはできませんが、ひとびとは日銀が決めていると思っています。記事の文面から見て、記者もそう思っているかもしれない。
週明けの日銀の会合では政策金利で「マイナス0.1%→〔0.0%~0.1%」が想定されます。0.1や0.2ポイントのわずかな虫眼鏡の上昇。
日銀が、マイナス金利への誘導を解除する理由は二つです。
1)消費者物価(CPI)の上昇が、安定的な2%台になると認知されたこと。(24年2月のCPIは2.6%上昇:東京都速報値)。
2)春闘での賃上げが5.38%(中小企業は4.42%:ベースアップ分は3.7%)と高くなり、CPI上昇率の約2年分の賃上げが実現したこと。日銀にとっては、インフレより賃金の上昇と要素が大きかったのです。
■2.利上げの大きな要素だった春闘の賃上げ
2000年から2023年までの、24年間の賃上げは、1%~2%未満/年でした。賃金が1%台しか上がらなかった日本にとっては、今回は大きな賃上げです。
2024年3月までは、2%から3%のマイナスだった「実質賃金(名目賃金上昇率-物価上昇率」が、1年はプラスに転じます。(注)サービス価格、特に宿泊費は約50%、物流費は5%上がっています。2025年は、ドライバーの75歳超えでの退職から、企業間と企業~世帯の物流費が、たぶん7%と、一段、上がる年です。物流費は、GDPの約5%です。アマゾンプライムの料金も上がりました。
減少してきた実質購買(商品数量)も、次第に、ゼロからプラスになっていくでしょう・・・しかし変動金利の住宅ローンを抱える1262万世帯(世帯数の25%)は、金利が上がると利払いに消えるでしょう。負債の金利が上がる世帯は、賃金が1万円上がっても使えるお金は、増えません。
年収400万円以下の住宅ローンを抱える世帯(約50%)にとって、今回の利上げは大きく響きます。
銀行で、固定金利(10年固定で約1%)への切り換えはできますが、現在の変動金利(0.25%から0.32%)に対して金利負担は約3倍から4倍に上がります。
4000万円のローン残なら、年間利払いが30万円(月間2.5万円)、支払いが増えます。賃上げ分より大きい人が多いでしょう。しかし変動金利のままなら3年後のローン支払いがいくらに増えるか、不明です。
企業の売上は、名目の金額です。消費税の上昇と同じ効果の物価上昇が入っていて、金額では前年比を超えても、商品数量では数%のマイナスでした。購買頻度が高いスーパーでは、2023年は5%から8%の商品価格上昇でした。
スーパーでは既存店の前年比売上が100%のとき、商品数量では5%から8%減っていました。(注)これは不況ですが、政府はインフレ不況や実質所得減不況とは言わなかった。2%の物価上昇を、国策として目標にしてきたからです。
【織り込みの投資】
FRBはまだ利下げしていないので、日銀の3月利上げは、日米の金利差(イールド)を縮小させます。「円安+株価の下落」要因です。ところが今日のドル/円のレートと日経平均は動いていません。
◎理由は、金融の大口投資家が行っている「織り込み」です。1か月から3か月先の変化が、今起こったかのように織り込んで、株や債券の売買をします。「織り込みの売買」で通貨のレートと株価が決まっています。
「ドル/円」は、3月3日に、150円台の超円安をつけましたが、3月11日には、日米金利差の縮小予想から148円台に上がりました。日経平均も、3月3日は4万円超えでしたが、3月15日は3万8700円(マイナス1300円)です。こうしたドル/円と日経平均の、金利の変化に先駆けた動きが、織り込みです。
長期的な面では、日米の株価には、AIと半導体への過剰な期待が織り込まれています。この織り込みが過剰だったと過半の投資家が気がつくと、日経平均とナスダックは、現在の価格から20%は下げるでしょう。
過剰な期待の先頭にある株が、過去1年で425ドルから878ドルへと、2倍強に上がったNVIDEAです。現在のPERは51倍。日本では、半導体の東京エレクトロン。株価は昨年の10月から2倍の3万7200円(NVIDEAと同じ上昇率)。PERも48倍とNVIDEA並みに高い。(NVIDEAの株価情報)。
https://www.nikkei.com/nkd/company/us/NVDA/finance/
〔現象〕将来の変化を織り込んだ時点(3月3日)で、通貨と株価が動く。株価に織り込んでいた変化が実際に起こったときは、動かないか、期待していた利上げより小さいとして、逆の動きもあります。事実、3月17日の「ドル/円」は0.53%下げて149円台の円安に戻っています。
通貨と株式の相場(価格)は、「1か月から3か月先(ときには6か月から1年先)」の金利と企業純益を予想して、価格に織り込んでいます。その織り込みが、どの程度かの判断が株価の評価になります。
【将来を織り込む株価】
現在のドル/円の相場(148円から149円)は、日銀の0.1%から0.2%の利上げは、織り込んでいます。しかし米国FRBの利下げは、まだ織り込んでいません。
3か月内に米国CPIの上昇率が下がり、雇用も軟調になって、FRBの政策金利の利下げ(1回が0.25%幅)が予想されるように変わると、(1)円高になり、(2)日経平均は下落でしょう。
原因は、東証の売買の70%を占めるガイジンファンドが、「(高いレベルの)織り込み売買」をしているからです。
こうした「将来(1か月先から1年内)の変化の織り込み」が、大口売買をするヘッジファンドや、インデックファンドが市場に先行すると言われる理由です。新聞では「株価は未来を予想する」と書かれています。
しかし実は、ファンドは株価、通貨、金利を予想していない。株価を支える金融・経済の変化を、仲間内で予想して売買しています。中央銀行も仲間内(インサイダー)です。アベノミクス(2013年~2020年)では、前場(午前)に日経平均が1%下げると、ETFを買って相場介入していました。
「日銀やFRBの市場との対話(情報交換)」と言われることもこれと同じです。財務省も、月平均で20兆円はある国債の「新規+借り換えの発行」にあたって、「7年もので金利が0.5%なら、いくら買うか」を、証拠の残らない銀行への電話で「相談」しています。財務省と日銀は「ガチの、出たとこ勝負」はしていません。
■4.金融は談合相場
◎金融は政府と金融機関の「談合相場」です。闇夜の鉄砲ではない。FRBと日銀は、株価を大きく下げない政策をとっています。
(注)ただし2020年まで株を買う一方であり、株価を上げてきた日銀と年金基金のGPIFは、日経平均3万8000円以上あたりから、売りに入っています。日銀は、保有国債の低下での自己資本(11兆円)の債務超過を、含み益のある株を売って解消しようしています。
市場との対話(1か月1度の定例記者会見)は、日銀とFRB総裁のもっとも重要な仕事です(これが市場への介入です)。
植田さんは、毎回、緊張した顔で臨んでいます。リーマン危機のときのFRB議長バーナンキ(2022年ノーベル賞)は、「顔を読め」と言っていました。
自分が、中央銀行の総裁と仮想し、その発言を読むと面白い。新聞を読むとき自分が首相になったつもりで「どう答弁」するか想像すると、岸田政権の政策と直面している困難が分かります。
「情報を読む」ということがこれです。見出しを見て、発言内容を想像してもいい。小説、ドラマ、映画では、推理小説のように「次の展開」を予想すると作者との対話になって面白い。
株価、金利、金価格では、過去の値動きの記憶が必要です。素材は、ここにあります(↓)。朝、罫線のグラフを見る前に予想して見る。
https://nikkei225jp.com/chart/
家人は、金価格では毎日やっているようです。新聞を見て自分用のメモに書いているのを幾度か見たことがあります。過去の価格を記憶していると「なぜ上がったか、あるいは下がったか」への探求心が生まれるでしょう。
■5.メディア論:メディアはメッセージ
新聞を読むときは、「なぜ新聞がこう書いたのか」を考えてください。書き方には、無限のバリエーションがあります。選択には意図があるのです。
書き方(スタイル、文体)が新聞の行っている「評価」です。
新聞は事実を報じるように仮想し、事実を示す数字の部分以外では、事実をどう見るかを使う単語と文体として、評価しています。
単語は、事実について浮かんだ記者の概念です。例えば、0.1%の政策金利の利上げを「金融引き締めに転じた」と書く記者もいます。政策金利の0.1%くらいの変化なら、マネーの引き締めではない。
むしろ、日本の、2%のインフレの定着のなかでは、実質金利は、今日もマイナス2%付近であって、金融緩和の継続です。
2%のインフレのなかでの「0.1%の利上げを金融引き締め」と書くのは、記者個人の観念です。今回は、金融引き締とするのは適当ではない。政策金利は名目金利からインフレ率を引いた実質金利で評価すべきものです。実質金利は、まだマイナス2%付近の金融緩和のままです。。
「情報(=他人の、事実の評価)に動かされる人」から脱却しましょう。「書く人のように読む日常の自己訓練」で得られます。スポーツのように、情報を読むためにも「練習(エクササイズ)」が必要です。「読書」は、エクササイズです。
たぶん99%の人は、知らず知らず、「メディアの情報に動かされる人」になっているでしょう。「噂を判断する井戸端会議、手書きの手紙、ノート」がなくなって、スマホを含み、画面を見る時間、読む時間になったからです。
数日前、たぶん10年以上ぶりに、通勤電車に乗りました。目をつぶった人以外の乗客の全員が、俯(うつむ)き、スマホの小さな画面を凝視していました。SNSの閲覧でしょう。
約20分乗客を凝視していました。
「これは一体何だ?、何を意味するか?」と考えたのです。
「移動する個人に、世界の情報が降ってくるスマホの時代」になって、世界中の国民が一層メディアから操作されやすくなっています。ジョージ・オーウェルの『1984』や村上春樹の『1Q84』は、現代の戯画でしょう。
スマホは「外部世界の情報→受動的な個人」という受け身が多い状況を作ります。「能動的な個人→外部世界への働きかけ」ではない。
メディアは、まさにメッセージです(マクルーハン)。「この事実をどう伝えるか」として、放送局で議論された結果の情報が「強弱と解釈の編集という意図をもって」流されるからです。新聞は、政権の世論調査の支持率が下がると、政権批判の論を増やすのです。放送局は、視聴率が下がると放送の内容を変えます。
内容がフェイクなのではない。強弱のランク付けと解釈の編集が、意図したフェイクです。これが「報道しない自由」とも言われることの内容です。誰かが決めたはずの、新聞社や局の方針に都合が悪い事実は、小さく扱うか無視します。これが、編集での脚色です。
日本では、CIAと米国大使館が、日本の報道の基本的な方向を決めています。特に、高齢者の視聴が多いNHKがこれです。民主主義には、政府を批判するジャーナリズムが必要ですが、そのジャーナリズムを政府が支配しています。この構造は20世紀初頭から120年、不変です。「週刊文春」に政治や芸能のスキャンダルをリークしているのは米国大使館です。その目的は、ジャーナリズム動かすことです。米国では、これが特に発達してきたのです。
発生した事実についての情報は、そのまま報道されるのではない。評価し脚色されます。写真や動画も、切り取って報道の意図にあうように脚色されます。30年分の人生の時間の映画を、劇的な90分に縮める、映画監督の脚本、演技指導と同じです。
全部のメディアは、映画と同じ本質をもっています。「狙った絵になるもの」を流す。絵画は対象物を見て、対象物の科学的には無限の情報から、ある部分を、意図をもって切り取って、画家が感じた情緒を伝えるように描かれたものです。
写真週刊誌のフライデーは、1枚か2枚の写真で典型的にやっています。一瞬の断面を切り取った写真ですが、浮気かと見える現場の1枚で、対象の人物の人生を示すという仮想をする。写真は事実ですが、記者の観念で書く文章(=事実の評価)はいかようにもできる「解釈」です。
SNSは、浮世絵や瓦版と本質が同じです。浮世絵や噂話の瓦版を、真実の描写と考える人は、いなかった。ところが、切り取った写真と短文のSNSと放送は、真実として、あるいは、真実めかして流れています。
日本語には、事実を情緒でとらえる和歌、俳句、能、狂言、歌舞伎の伝統があります。注意していないと経済。金融の記事にもイエロー・ペーパー風な非論理の感情語がなじみやすい。
MCの女性キャスターも面白い。視聴者の多くが美人と感じる人のコトバにはウソがないと思われやすい(行動経済学の、認知のバイアス)。TVドラマでも、メイクでの素直な感じの美人は善人を演じます。フランスのよくできたドラマでは、少しひねって思わぬ人が犯人だったという人気を得ています。
われわれは、多くの認知バイアス(認識の歪み)をもっています。人間にとって事実の正当な認識は、哲学者のカントが生涯研究したように、実は、難しいものです。
■6.金利の、金融機関と国民への心理的な影響
わずかとはいえ金利のある世界は、日本人と金融機関にとって、2008年のリーマン危機(0.50%)以来、14年ぶりです。もっと長くは、1998年の、日本の金融危機以来26年ぶりです。
50歳以下の銀行マンは、金利のある世界の実経験がない。預金金利がゼロなので、国民も、金利がある世界を知らない。住宅ローンの金利が7%だった時代を知る人はいない(現在は変動金利なら0.3%付近です)。
実は1990年には郵貯の定額預金の金利も7%付近であり、1000万円預金が10年の複利で2000万円になっていた時期があったのです。下がる株を買うよりはるかに、預金が得だった。40年前は現在とはアベコベの世界でした。
日本人には、こうした経済的には、どの国も経験がない特殊な歴史があるので、2%インフレと、わずかではあっても金利のある世界は、心理的に、お金を貯める、使う、投資する経済行動に無視できない影響を及ぼすでしょう。
過去35年の日本は、「ほぼゼロ金利」という特殊な、しかし記憶が薄れるくらい長く異常な外部環境のなかにありました。50歳代以下の日銀マン、官僚、銀行マンは金利のある世界への経験がないのです。
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