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吉田繁治 (経営コンサルタント )

吉田繁治

ビジネス知識源プレミアム:臨時号・共通版:日経平均4万円の予想PERについて
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<Vol.1414号:臨時号・共通版:日経平均4万円の予想PERについて>

2024年3月4日:リーマン危機から16年の過剰信用が破裂する


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著者:Systems Research Ltd. Consultant吉田繁治



3月1日に送った、「日経平均の予想PERの計算方法」について納得ができないので、その後、いろいろ調べました。

原因が分かったので、有料版と無料版共通の臨時号として送ります。日経新聞社への、電話での直接の問い合わせでは、満足な回答が得られなかったからです(3月1日の、読者センターへの当方からの電話)、。

〔テーマ〕日経平均がさきほど4万円を超えましたが、市場では、2024年は更に上がるという楽観が支配的になっている現在だからこそ、お伝えすべきと思います(20.03.04)。

端的に言えば、日経新聞社が出している日経平均のPERの 16倍は、株価を割る分子の次期予想純益が過大に見積もり計算されているための、不適切に低いPERです。

後述しますが比較する米国(S$P500)の計算基準では、日経平均4万円では予想PERが23倍付近であるべきものです。1.4倍の予想PERの過大評価は、4万円÷1.4=2万8600円の日経平均が、4万円に上がっていることになります。
             *
専門家以外にはややこしい、PERを計算する数値の基準の違いついての話になります。しかし日経平均の歴史上最高の4万円の評価に大きくかかわって、まだ上がるという根拠になってるものなので、お付き合いをいただきたい。

会社が1社なら、予想PERは、「現在株価÷1株あたりの次期予想純益(年間)」、つまり、ファイナンス理論では、その現在株価が将来何年分の予想純益を含んでいるかという評価指標になります。(注)現在の金利での最適値は15倍付近でしょう。

しかし、日経平均の予想PERでは、
・225社の、異なる株価を平均した株価指数とは何を言うのか、
・分子である日経平均225社の1株あたり予想純益は、どう計算されているかという点を知っていないと、結果である予想PERの数値に大きな違いが出て、適当な評価指標ではなくなります。

■(1)日経平均は、225社の株価の単純平均

まず「日経平均」という株価の指数は、東証の大手225社の個別株価を足して「株式の総数」で割り、期中に株式分割や合併があった会社の銘柄での連続性を持たせるため、除数を加えたものです。

(注)株を1/2に分割すると株式は2倍発行されますから、1株の株価は理論上1/2に下がります。しかし、分割前の株価(例えば1万円)の記憶効果が市場にはあって、5000円に下がらす実際は6000円というケースが多いのです。

日経平均は225社の株価の、単純平均です。(株価合計÷(発行済み株数+株式分割の除数))

単純平均であるので、ユニクロ(ファースト・リテイリング)のように、1株の株価が4万4000円台と高い「値嵩株(ねがさかぶ)」の動きに、日経平均225は左右されます(ユニ口の株価×発行済み株式数=時価総額は14兆円)。

例えば、時価総額が日本では1位(60兆円)のトヨタの株価は今3680円です。時価総額がユニクロの4.3倍のトヨタが、仮に20%(736円)上がって4416円になっても、トヨタの736円の上昇は、ユニクロに対して1/4.3しか反映されません。

一方で、値がさ株のユニクロが20%上がると、4万4000円×20%=8800円分の上昇として、計算されます。

現在の日経平均株価での重み(加重)は、
1株株価が高いユニクロ11.1%、
半導体の東京エレクトロン9.6%、
アドバンテスト4.8%、
ソフトバンク4.5%、
信越化学工業2.8%、
KDDI 2.3%、
TDK 2.0%、
テルモ2.0%、
ファナック1.9%、
ダイキン1.8%です。

この10社の株価での合計加重は、日経平均225社の43.3%であり、ほぼ半分です。

◎日経株価はこれらの単純平均ですから、株価時価総額はトヨタよりはるかに小さくでも、発行済み株数が少なく1株の株価の高い銘柄の株に左右されているのです(「値がさ株」という)。

時価総額が60兆円と1位のトヨタは、時価総額のシェアでは、日本の株の約8%ですが発行済み株数が多く、株価は3680円と低いため、日経平均株価のなかでは存在が小さい。

逆に、ユニクロや半導体の東京エレクトロンの株価は、トヨタよりはるかに小さくでも存在が大きい。

本来は、225社の時価総額の構成割合で加重平均して、株価指数(日経平均)を出すべきですが、日経平均は、作られた最初からNYダウに倣った「単純平均」だったので、そのままきているのです。

【TOPIXは、各社の株価時価総額で計算した加重平均の株価】
なお、東証が作っている株価指数のTOPIXは、2160社の、時価総額の割合の構成比をかけた加重平均です。株式発行数が少なく、1株の株価が高い「値がさ株」にあまり左右されず、3万9900円の日経平均と比較にならないくらい低い2709円です(24.03.04)。

単純平均である日経平均は、ガイジン・ファンドが、ユニクロ、東京エレクトロンなどの「値がさ株」を買うと、高く上げることができるという欠陥をもっています、

バッシブ(受動的)とされる株価指数は、ガイジン・ファンドや機関投資家が多く売買しています。個人は少ない。

数倍から30倍のレバレッジのかかる先物やオプションで、ユニクロ、東京エレクトロンの株を売れば、日経平均は大きく下がって、ガイジン・ファンドに。不当な操作利益を与えることになります。日経平均は相場操作がしやすいのです。

これを知っている人は、個人投資家の40%くらいでしょうか? 

〔結論〕日経平均や、もっとも古いNYダウのような単純平均株価は、各社の発行済み株数が大きく、価格も違います。株投資が大衆化した現代では、225社の株価を合計して株数で割る日経平均は不適なものです。

■(2)経平均には、二つの異なる予想PERがある

PERは、株価のもっとも重んじられる評価指標です。ここでも、日経平均の株価が、225社の単純平均であることから、矛盾が生じています。数値の基準についてのややこしい話ですが、できるかぎり平易に、具体例を示して書きます。

日本の株価を代表する「日経平均の予想PER」は、メディア記事やアナリストから、「まだ16倍あたり(=16年分の予想純益の割引現在価値(NPV))だからバブル株価ではない」といった具合に使われています。

ところが、日経平均の予想PERには、16.8倍と23.6倍の二種類があるのです。

日経新聞社が作った日経平均プロファイルに。この2種が書かれています。予想PERとPBRは、株価評価の2大指標です。
(24.03.04 日経平均 3万9910円)

株価収益率(=予想PER)
  (1)加重平均   16.80倍(米国株より7倍も低い)
  (2)指数ベース 23.61倍(米国並みに高い)
株価純資産倍率(PBR)
  (1)加重平均 1.52倍(先進国の2.7倍よりひどく低い)
  (2)指数ベース 2.15倍(世界の2.7倍より低い)
(掲載サイト)
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/summary

日経新聞社が、普通に言うPERは16.80倍、PBRでは1.52倍です。いすれも米国の水準からすれば低いとされています。

〔結論〕予想PERとPBRという株価の代表的な評価指標の低さが、「2024年の日経平均は、4万円を超えて上がる」とする、もっとも有力な根拠になっているのですから罪深い。

(注)なお、日経平均の時価総額占有率は、東証1部全体(2800社)の73.48%です。ほとんどがこの大手225社と言っていい(掲載サイト)

(1)日経新聞が「加重平均方式」とする予想PER(16.80倍)は、
・単純平均の日経平均株価(3万9910円)を、
・225社の、1株あたりの次期予想純益(予想純益の合計÷225社の発行済み科株数の合計)で割ったものです。一般にはEPS(Equity Per Share) と言います

日経新聞が計算している1株あたりの予想純益(EPS)は、「各社の予想純益合計÷発行済み株式総数の金額」です。

大型株の予想純益(金額が大きい)が上がると、予想純益の合計も上がります。しかし、発行済み株数は同じなのでEPSは高くなります。その結果、日経平均株価をこのEPSで割った予想PERは16.3倍と低くなります。これを日経新聞は、加重平均方式としているのです。このPERを、日経新聞が登録商標を持つ日経平均のPERとしています。

まとめれば、予想純益のEPS(分母)が大型株の予想純益の上昇で高くなると、日経平均の予想PER(=日経平均株価÷EPS)は、上記事例の16.80倍のように、低くなるのです。

【指数ベースのPER】
一方で、指数ベースのPER(=23.61倍)は、
・単純平均である日経平均と同じウェート(加重)で、
・次期予想純益のEPSを計算したものです。

これが、分子と分母の数値基準を揃えた、正当な予想PERと言えます。このEPSは、日経新聞が加重平均の指標とするもの(16.3倍)より、高くなる傾向があります(23.61倍)。

単純平均株価の日経平均÷加重平均方式のEPS、で計算されているからです。

◎分母が加重平均になるEPS(=225社の1株あたり次期予想純益)ですから、これで単純平均の分子(=日経平均株価)を割るのは、不適当です。

■(3)米国のS&P500の予想PERの計算基準

米国の代表的な株価であるS&P500社の、株価は5137ドルです。これは、日経平均やNYダウのような単純平均ではなく、各社の株価の、時価総額の割合で加重した、加重平均株価です。

この計算方式は、東証の株価指数であるTOPIX(2719円)と同じです。

S&Pの予想PERは23.8倍です。計算方式は、「S&P500の加重平均株価÷500社の加重平均の次期予想EPS」です。

S&P500の株価は、もともとが、500社の時価総額の割合よる加重平均なので、一部の値がさ株の株価上昇には、左右される度合いが少ない。

S&P500の株価を割る平均予想純益(EPS)は、時価時価総額の重みで加重した平均です。つまり、分子(S&P500の株価)と、分母(500社のEPS)は、同じ加重平均であるため正当な計算がなされています。

以上が、ブルムバーグが集計した世界の予想PERです。これが『週刊エコノミスト誌』に掲載されている、世界の予想PERです(24年3月5日号)。

【世界の予想PER(ブルムバーグ)】
日経平均         21.5倍(日経新聞は16.3倍としている)
米国S&P500      23.8倍(日経新聞の予想PERの1.7倍)
米国ナスダック  38.9倍(日経新聞の予想PERの2.4倍)
英国FTSE100      10.6倍(予想PERがひどく低い)
ドイツDAX30      12.6倍(英国と同様に低い)
フランスCAC40   14.5倍(欧州ではもっとも高い)
イタリア      7.7倍(低い)
中国上海総合   11.1倍(利益偽装が見込まれるので低い)
インド      20.6倍(日経深新聞のPERより1.3倍高い)
ブラジル     9.1倍(低い)
ロシア      2.0倍(西側の取引停止のため極端に低い)

日経新聞も、ブルバーグ方式の正当なPERを出さないと、以下に示す「勘違い」が起こるでしょう。現在、予想PERでの日経平均の評価に勘違いが起こっています。

◎「株価がバブル圏(PERが23.8倍~38.9倍)の米国より低い。日経兵器の予想PER 16.3倍はバブルではない。日本の株は、買いが少なく出遅れている。買って、上げるべきだ。買うことにチャンスがある。

日経平均4万円は、予想PERが現在の16.3倍から、20倍になれば1.2倍の4万4000円、米国並みの23倍なら1.4倍の5万6000円の可能性も高いという論評がこれです。

仮に、ブルムバーグ方式で、分子と分母の数値基準を揃えた予想PERの計算なら、日経平均の予想PERはすでに21.5倍であり、米国株に近くまで上がったものが日本株になるでしょう。

英国は10.6倍、ドイツは12.6倍、フランスは14.5倍、イタリアは7.7倍と予想PERが低い。

ブルムバーグ方式では、欧州と新興国の予想PERが低く、日本と世界からの株投資では、「オールカントリー(オルカン)のETF」の買いが増えています(2023年後半から)。

オルカン投資の観点では、米国株や日本株はPERが20倍以上であり、特にIT株が多いナスダックでは予想PERは38.9倍下落のリスク圏であるとしているのです。

日経新聞は、ここに書いた計算の根拠をほとんど示さず、日経平均の予想PERは16.3倍であり、米国に比べ、大きく低いとしています。

これは、日本株への投資を誤らせます。一刻も早く、分子と分母の基準数値が揃っているブルムバーグ方式への変更を要望します。

日経平均を、TOPIXのような加重平均による株価指数に変えるのは、連続性の観点で難しい。しかし予想PERでの評価は、分子(単純平均の株価)と、予想純益を、二つとも時価総額の重みで加重した平均にすればいいだけです。

このブルムバーグ方式なら日経平均の予想PERは、日経新聞が「指数ベース」とする23.61倍であり、低いとは言えません。日経平均4万円は、米国のS&P500並みに上がっているのです。

(1)3月11日からの、FRBのBTFPの停止、つまり2023年3月のシリコンバレー銀行の破産からの、銀行へ緊急融資1650億ドル:(25兆円)の停止があります。

(2)2番目には、2024年の年初から、東証の日本株を2兆7000億円買い越して、日経平均を6500円(28%)は上げてきたガイジンファンドが、例年3月の四半期決算には、利益確定の売り越しを行うことが3月の日本株のリスです。

日経平均株価の予想PERを、16.3倍ではなく21.5倍とみているガイジンファンドがどう動くか?


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