Foomii(フーミー)

FIRE達成おやじの舞台裏:ブログでは語りきれない投資の葛藤と生原稿

モンチ(FIRE系ブロガー × 個人投資家)

モンチ

【第3回】FIRE後のリバランスは毎月必要? Vanguardが示す「年1〜2回+5%ルール」

リバランスは、どのくらいの頻度で行うべきか

FIRE後は、保有資産から生活費を賄うことになります。

そのため、株式や債券の比率が当初の計画から大きくズレていないか、定期的に確認する必要があります。

ただ、ここで迷うのがリバランスの頻度です。

 - 毎月確認した方がいいのか
 - 年1回で十分なのか
 - 何%ズレたら売買するのか
 - 目標配分まで完全に戻すべきなのか

Vanguardのレポート「Best practices for portfolio rebalancing」(2015年11月発表)では、こうした疑問について、1926年から2014年までのデータなどを使って検証しています。


リバランスの目的は、リターンの最大化ではない

まず押さえておきたいのが、リバランスの目的です。

リバランスというと、「値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う」 「安く買って高く売ることで、リターンを高める」というイメージがあるかもしれません。

しかしVanguardは、リバランスの主な目的を次のように説明しています。

目標とする資産配分に対して、ポートフォリオのリスクが大きくズレないようにすること。

株式と債券では、値動きも期待されるリターンも異なります。

そのため、最初に株式50%・債券50%で運用を始めても、時間がたつと比率は変化します。株式の値上がりが続けば、株式の比率が60%、70%と増えていく可能性があります。

すると、ポートフォリオ全体のリスクも、当初の想定より大きくなります。

リバランスは、増えすぎた資産を減らし、減った資産を増やすことで、ポートフォリオを当初想定したリスク水準に近づける作業です。

つまり、リバランスは利益を最大化するためというより、投資計画からリスクが外れすぎないようにするための仕組みなのです。


毎月でも年1回でも、結果に大きな差はなかった

Vanguardは、株式50%・債券50%の仮想ポートフォリオを使い、リバランスの頻度による違いを調べています。

比較されたのは、次の方法です。

 - 毎月リバランス
 - 四半期ごとにリバランス
 - 年1回リバランス
 - 一度もリバランスしない

1926年から2014年までの検証結果は、次のとおりでした。

リバランス頻度年率リターン率ボラティリティ年間ターンオーバーバランス回数
毎月8.0%10.1%2.6%1,068回
四半期ごと8.2%10.1%2.2%355回
年1回8.1%9.9%1.7%88回
なし8.9%13.2%0.0%0回


※ターンオーバーとは、1年間にポートフォリオ全体のうちどれだけの割合を売買したかを示す数字です。100万円を運用していて、リバランスで1年で2万円を売買した場合は、2%となります。数字が大きいほど、売買コストや税金の負担も増えやすくなります。

毎月、四半期、年1回の間では、年率リターンやボラティリティに大きな違いはありませんでした。

一方、リバランス回数やターンオーバーには大きな差があります。

毎月リバランスした場合は1,068回・ターンオーバー2.6%ですが、年1回なら88回・1.7%です。

リスクやリターンに大きな差がないにもかかわらず、毎月リバランスすると売買回数が大幅に増えます。

売買が増えれば、次のようなコストも増える可能性があります。

 - 売却益にかかる税金
 - 売買手数料
 - ETFなどの売値と買値の差
 - リバランス額を計算する時間と手間

Vanguardは、リバランス頻度を決める際には、こうしたコストも考慮すべきだとしています。

特に税金や時間的なコストが大きい場合は、年1回のリバランスが選ばれやすいとしています。


まったくリバランスしないと、株式に偏りやすい

頻繁なリバランスが必要ないからといって、何もしなくてよいわけではありません。

実は、これは理論上の話にとどまりません。Vanguardが世界の投資信託・ETF全体の資産配分を2006年から2014年にかけて調べたところ、投資家全体の株式比率は、相場の動きにそのまま連動していたことがわかっています。

2006年末には62%だった世界の株式配分は、リーマンショック後の底値では38%まで低下し、2014年末には56%まで回復しました。もし投資家がきちんとリバランスしていれば、比率はもっと安定していたはずです。

つまり「頭では分かっていても、実際にはリバランスできていない」投資家が、世界全体で見ても少なくないということです。

Vanguardの検証では、株式50%・債券50%で始めたポートフォリオを一度もリバランスしなかった場合、株式比率が大きく上昇しました。

1926年から2014年までの結果では、次のようになっています。

 - 平均株式比率:81%(最小27%〜最大97%の範囲で変動)
 - 最終株式比率:97%
 - 年率リターン:8.9%
 - 年率ボラティリティ:13.2%

一方、年1回リバランスしたポートフォリオは、次の結果でした。

 - 平均株式比率:51%(最小35%〜最大60%の範囲で変動)
 - 最終株式比率:49%
 - 年率リターン:8.1%
 - 年率ボラティリティ:9.9%

リバランスしなかったポートフォリオの方が、リターンは高くなっています。

これは、検証期間中に株式が債券を上回るリターンを生み、時間とともに株式比率が上昇したためです。

ただし、株式比率の上昇とともに、ポートフォリオの値動きも大きくなりました。

つまり、リバランスをしないことでリターンが高くなったとしても、それは意図せず多くの株式リスクを取った結果でもあります。

最初に株式50%・債券50%を選んだ人が、気づかないうちに株式80%や90%のポートフォリオを保有していたら、当初の投資計画とは別物です。


Vanguardが示す「年1〜2回+5%」という目安

Vanguardが検証したリバランス方法は、大きく3種類あります。

 1.時間だけでリバランスする方法

毎月、四半期、年1回など、あらかじめ決めた時期にリバランスします。

… … …(記事全文6,627文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:200円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年8月19日に利用を開始した場合、2026年8月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年9月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する