… … …(記事全文2,908文字)米国とイランの停戦合意は、互いの攻撃再開により早くも形骸化しつつある。実質的に『米国の敗北』ともいえるその内容を国内から批判されたトランプは、批判を躱すべく、改めて強気の姿勢を示す必要があったのだろう。トランプの焦りが示すように、交渉を優位に進めているのは明らかにイラン側だ。だが、イラン主導の中東和解が進めば進むほど、もう一つの隠れた緊張が高まる。『イスラエルの暴走』だ。
●イスラエル抜きで進む交渉
米イラン間の交渉開始初日、イランはイスラエルのレバノン・ヒズボラ攻撃を理由にホルムズ海峡再封鎖を宣言した。だがその後、米・イラン・レバノンの3カ国は、レバノン内での軍事衝突を回避する仕組み(デコンフリクション)を設置することに合意。イランはホルムズ海峡封鎖を事実上解除し、船舶が通過し始めている。
<2026年6月21日 CNBC>
<2026年6月23日 ロイター>
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また、イランのペゼシュキアン大統領はパキスタンの首都イスラマバードから「パキスタン、サウジアラビア、エジプト、トルコ、カタールを含むイスラム諸国に友愛の手を差し伸べたい。」と呼びかけた。長年、イスラム教シーア派が大半を占めるイランとスンニー派が主流のアラブ諸国は対立関係にある。ペゼシュキアン大統領の呼びかけは、その対立に終止符を打つものだ。
<2026年6月23日 DAWN>
ペゼシュキアン大統領の提案が実現すればイラン主導でスンニー派諸国(サウジ、トルコ、エジプト、パキスタンなど)が連携し、イスラエル包囲網が強まる可能性が出てくる。
<2026年6月24日 金子吉友の反DSチャンネル「暴かれるイスラエルの正体 激震!!衝撃の中東"新秩序"!!」>
https://www.youtube.com/live/bzDaQnzjJuk?si=gVlp4zqW7ptoUU6o
こうした状況の中、イスラエルは、「米イラン間の和平合意交渉は自分たちとは無関係」とばかりにレバノン・ヒズボラとの戦闘状態を続けている。
<2026年6月27日 時事通信>
繰り返し述べているように、米国がイランと和平の意思を見せる一方でイスラエルがヒズボラへの攻撃を続ける構図は、米イスラエルの「マッチポンプ」(イスラエルが放火し、米国が消火する)に他ならない。巷で言われる米イスラエル間の亀裂は演技でありプロレスだ。
だが同時に、イラン戦争に対する両国の思惑が「同床異夢」であることもまた事実だ。イスラエル(ネタニヤフ)はイランが完全降伏するまで戦争を続けたいが、ベネズエラのマドゥロ大統領電撃拘束のような超短期作戦を想定していた米国(トランプ)は、泥沼化した戦況から一刻も早く撤退したがっている。そもそもこのイラン戦争は、トランプがイスラエルから脅迫され、唆される形で始まったものだ。
<2026年4月17日 実業之日本フォーラム>
そうした米イスラエルの複雑な「愛憎関係」が根底に横たわる中、米国がレバノンにおけるデコンフリクションに同意したことは、ネタニヤフに少なからず動揺を与えている。
<2026年6月23日 中央日報>
●ネタニヤフが戦争し続ける理由
ネタニヤフは2022年12月末に通算6度目の首相に返り咲いて以来、ハマスやレバノンやイランと戦争を繰り返している。彼が何としても戦争を継続しなければならない理由は大きく分けて2つある。






