… … …(記事全文2,157文字)高市早苗政権の「強い日本経済」路線の最大の障害は、根拠なき「日本はダメだ」論である。日本は円安や長期金利上昇もすぐに止められるだけの金融パワーを持っているのに、政官財界やメディアの弱気派は目を背ける。
メディアが流布させている経済用語に「骨太ショック」がある。高市政権が6月30日にまとめた来年度予算のガイドラインである「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」原案は、政策経費と税収のバランス(基礎的財政収支=PB)の黒字化目標の実質的な廃棄や日銀に対する政府政策との整合性を重視している。しかし、国内のオールドメディアなど抵抗勢力はそれが円安や国債相場下落を招いていると難じる。高市首相は15日の党首討論で「閣議決定していない原案がショックの原因だと思っていない」と否定するとともに、「強い経済」構築にまい進する決意を改めて表明した。本欄4日付けで「超円安 成長投資促進の好機となせ」と論じたが、問題は当面の短期的な市場の動きである。
高市成長投資戦略は財政資金と民間資金を一体化させて、人工知能(AI)、先端半導体、データセンター、造船、希少鉱物素材など戦略17分野への国内投資を盛んにすることをもくろんでいる。しかし、それらが成果を挙げるまでには時間がかかる。それまでに市場の投機勢力は待ってくれないし、メディアも市場不安を書き立てるだろう。
そこで鍵を握るのが、日本の金融パワーである。その片鱗が見えたのは、10日の片山さつき財務相による「家計や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする年金基金が日本の金融資産にさらなる投資をする方向で後押しする方策を追求したい」との発言だ。すると市場では円高と長期国債買いに一挙に転じた。GPIFの計画変更が具体化したわけではないが、海外に流れているカネが国内重視へと方向転換すれば、円や国債の取引の流れが売りから買いへと逆転する可能性を示している。

