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田村秀男ウェブマガジン 経済がわかれば世界がわかる

田村秀男(ジャーナリスト)

田村秀男

高市財政に立ちはだかる戦後レジーム(中)基礎的財政収支(PB)黒字化という日本自滅ドグマ

日本経済は長年にわたってドグマ(教義)に呪縛されてきた。国家財政の政策経費は税収の範囲内にとどめるべきという基礎的財政収支(プライマリー・バランス=PB)黒字化目標だ。主要国の中では日本のみだ。結果は恐るべき経済の停滞である。高市早苗、政権は改廃をめざすが、財務省や既存メディアが抵抗勢力としてたちはだかる。

PB攻防の場は経済財政諮問会議(議長=高市首相)が議論する「経済財政運営と改革の基本方針」(通称、骨太の方針)である。財務官僚はそこに「PB黒字化」目標を書き込むよう工作し、閣議決定させる。それを振りかざして各省庁の予算要求を査定し、年末の政府予算案を仕上げる。

 PB黒字化目標自体は、1997年度の橋本龍太郎政権が導入し、2001年に始まった骨太方針で定着した。昨年10月発足の高市政権による今年度政府予算も石破茂前政権時代の「骨太」に従わされた。民間から吸い上げた税収すべてを政策経費に充当して民間に還元しないと、国内需要を萎縮させる。この結果、景気は下押しされるので、毎年秋には大型補正予算による「経済対策」が政府・与党の恒例の行事となってきた。大型補正はその場しのぎのバラマキ、民間には投資意欲が戻らない。税収は減る一方で財政支出だけが突出するので、PB赤字と政府債務残高だけが膨らむ。それを理由に、財務官僚は時の政権に政策支出を削減させ、消費税増税を飲ませてきた。需要低迷のために実質賃金は下がり、現役世代の窮乏化が進む。

 

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