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石井順也の世界情勢ブリーフィング

石井順也(元外交官、地政学ビジネスインテリジェンス、国際政治経済)

石井順也

石井順也の世界情勢ブリーフィング 第877号 今週の動き(5/10~16)米・イラン戦争の混沌、トランプ訪中

2026年5月11日発行(通算第877号)

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石井順也の世界情勢ブリーフィング

https://odyssey.co.jp/blog/jd/

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連休はいかがお過ごしだったでしょうか。私は仕事もありましたが、基本的にはゆっくり休むことができ、遠出もして、なかなかリフレッシュできました。詳しくは「近況報告」でお伝えします。


さて、今週も米・イラン戦争を取り上げます。また、いよいよ今週予定されているトランプ訪中についても解説します。連休明けということもあり(本当は休載したかったのですが(笑))、いつもよりコンパクトにお届けします。「今週のドラマ」では、話題のNetflixドラマを取り上げます。


【目次】


1.先週の動き

● 米・イラン戦争の混沌

2.今週の動き

● トランプの訪中

3.今週のドラマ

4.近況報告

5.あとがき


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先週の動き

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5/3(日)

・トランプ大統領がホルムズ海峡で足止めされている船舶と乗員を安全に脱出させるため「プロジェクト・フリーダム」を中東時間5月4日朝に開始すると表明

・イランが米国から停戦案への回答を受け取ったと発表

・OPECプラス有志国会合(オンライン)

・ADB年次総会(ウズベキスタン・サマルカンド、~6日)


5/4(月)

・トランプ大統領が米軍はイランの小型船7隻を撃沈した、イランは韓国の貨物船を攻撃したと表明

・イランがホルムズ海峡を通航しようとした米海軍艦艇をミサイルで攻撃したと発表 

・イランの革命防衛隊がホルムズ海峡に新たな管理区域を設定 

・UAEがイランからミサイルとドローンによる攻撃を受けたと発表(フジャイラの石油工業地帯で火災が発生)

・ロシア国防省が5月8~9日での一時停戦を宣言

・日豪首脳会談(キャンベラ)

・日・インドネシア防衛相会談(ジャカルタ)


5/5(火)

・トランプ大統領がプロジェクト・フリーダムを停止すると表明

・ヘグセス国防長官がイランとの停戦は維持されていると表明

・米ロ外相電話会談

・UAEがイランからミサイルとドローンによる攻撃を受けたと発表 

・日比防衛相会談(マニラ)


5/6(水)

・トランプ大統領がイランとの合意に達すればオペレーション「エピック・フューリー」を終了すると表明

・米下院監視委員会でラトニック商務長官がエプスタイン問題について証言 

・中・イラン外相会談(北京)

・CNNのテッド・ターナー創業者が死去


5/7(木)

・米・ブラジル首脳会談(ワシントンDC)

・トランプ大統領がイランはホルムズ海峡で米海軍の駆逐艦3隻を攻撃したと表明(イランは米軍がホルムズ海峡でイランの石油タンカーを攻撃し、ゲシュム島等で空爆を行ったと表明)

・トランプ大統領がEUへの自動車関税の引き上げを先送りすると表明

・米国際貿易裁判所が1974年通商法122条に基づく10%の追加関税を違法とする判決

・デーンズ上院議員率いる超党派の議員団と中国の李強首相が会談(北京)

・テネシー州で連邦議会下院の選挙区割り変更法が成立

・イランのモジタバ最高指導者とペゼシュキアン大統領が会談したとイラン国営メディアが報道

・中国の軍事法院が李尚福前国防相と魏鳳和元国防相に執行猶予2年付きの死刑判決 

・タイ・カンボジア・フィリピン首脳会談(セブ)

・英統一地方選挙(リフォームUKが議席大幅増)

・英ロンドンの刑事法院が中国のスパイの男2人に国家安全保障法違反で有罪判決 


5/8(金)

・トランプ大統領がロシアとウクライナは5月9〜11日の3日間停戦すると表明

・米中央軍が海上封鎖を突破してイランの港湾に入ろうとしたイラン船籍の石油タンカー2隻をオマーン湾で攻撃したと発表

・米財務省が中国、UAE等に拠点を置く計約10個人・団体をイランの武器や弾道ミサイル、攻撃型無人機シャヘドの部品調達ネットワークへの関与を理由に制裁対象に追加 

・バージニア州最高裁が連邦下院選挙区割り変更を違憲無効とする判決

・イランのハールグ島で石油流出が起きている可能性があることを示す衛星画像が報道 

・ASEAN首脳会議(セブ)

・コスタリカでフェルナンデス大統領が就任


5/9(土)

・ロシアの対独戦勝記念日式典(プーチン大統領が演説)(モスクワ)

・ハンガリーでマジャル首相が就任


●米・イラン戦争の混沌


先週も米・イラン情勢は慌ただしい展開を見せました。トランプ大統領は週末、ホルムズ海峡で足止めされている船舶と乗員を安全に脱出させるため、「プロジェクト・フリーダム」を開始すると発表。これを受け、米国とイランは互いに相手側艦船を攻撃し、さらにUAEは、イランによるミサイル・ドローン攻撃を受けたとして、フジャイラの石油工業地帯で火災が発生したと発表しました(イランは否定)。


ところが、その直後、トランプは「イランとの合意に向けて大きな進展があった」として、プロジェクト・フリーダムを短期間停止すると表明しました。さらに、イランが既に提示された条件を受け入れれば、オペレーション「Epic Fury(壮絶な怒り)」は終了し、「非常に効果的な封鎖」の下でホルムズ海峡をイランを含む全ての国に開放すると述べる一方、拒否すればこれまで以上の大規模攻撃を行うと警告しました。


一方、Axiosは、米国が軍事行動の終結と核協議の枠組みを定めた1ページ・14項目の覚書をイラン側に提示し、現在、正式回答を待っていると報じました。また、イランのアラグチ外相は北京を訪問し、王毅外相と会談。「中国を信頼している」とした上で、「和平交渉による包括的解決を模索する」「ホルムズ海峡問題も解決可能だ」と述べました。 


しかしその後も軍事的緊張は続いています。トランプは、イランがホルムズ海峡で米海軍駆逐艦3隻を攻撃したと発表。一方、イランは米軍がイランの石油タンカーを攻撃し、ゲシュム島などで空爆を実施したと主張しました。さらに米中央軍は、海上封鎖を突破してイラン港湾へ向かおうとしたイラン船籍タンカー2隻をオマーン湾で攻撃したと発表しています。


こうした最新の動きを踏まえ、今後の展望を解説します。

… … …(記事全文8,577文字)
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