… … …(記事全文10,929文字)2026年4月13日発行(通算第873号)
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石井順也の世界情勢ブリーフィング
https://odyssey.co.jp/blog/jd/
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先月、編集部からお知らせがありましたが、オデッセイの季節の定番である「天然真鯛の炊き込みご飯」が今年も始まりました。ぐっちーさんの思い入れが深い、広島県尾道の特産品です。
■ 【オデッセイ限定】一尾仕立ての豪華天然真鯛炊き込みご飯
https://odyssey.co.jp/blog/odyssey/?p=11991
私も毎回いただいているのですが、炊飯器で炊いたとは思えないほどの美味しさに驚かされます。ぜひ一度お試しください。できれば尾道にも足を運び、現地の雰囲気とともに味わってみたいものです(と言いながらなかなか実現しません・・・)。
さて今週は、引き続き最重要テーマである米・イラン情勢を解説します。また、読者の方からのリクエストにお応えし、メラニア夫人のエプスタイン問題に関する記者会見も取り上げます。
【目次】
1.先週の動き
(1)米・イランの停戦協議
(2)メラニア夫人のエプスタイン問題声明
2.今週の動き
3.近況報告
4.あとがき
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先週の動き
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4/5(日)
・トランプ大統領がイランが4月7日夜までにホルムズ海峡の再開に同意しなければ大規模攻撃を始めると表明
・トランプ大統領がイランに撃墜された米軍戦闘機の乗員で行方不明になっていた残る1人を米軍が救出したと発表
・米国務省がイランの革命防衛隊のコッズ・フォースの故ソレイマニ元司令官の姪ら2人の米国での永住権の効力停止を発表
・中ロ外相電話会談
・ウクライナのゼレンスキー大統領とシリアのシャラア暫定大統領が会談(ダマスカス)
・OPECプラス有志国会合(オンライン)
4/6(月)
・トランプ大統領がホワイトハウスで記者会見
・イランが米国との停戦案を仲介国のパキスタンを通じて拒否し、10項目の対案を示したと同国のメディアが報道
・米連邦最高裁が21年の連邦議会襲撃に関連して実刑判決を受けたバノン元大統領首席戦略官の事件を下級審に差し戻す判断
・タイでアヌティン第2期政権が発足
・日・イラン外相電話会談
4/7(火)
・トランプ大統領がイランへの大規模攻撃を2週間停止すると表明
・米軍がイランのハールグ島を空爆したとの報道
・ヴァンス副大統領とハンガリーのオルバン首相が会談(ブダペスト)
4/8(水)
・パキスタンのシャリフ首相が米国とイランの2週間の停戦合意の成立を発表
・イランのアラグチ外相がイランへの攻撃がなければ報復をやめ、2週間ホルムズ海峡の安全な航行を認めると発表
・イスラエルがレバノン全土でヒズボラへの大規模な攻撃を実施
・イランのガリバフ国会議長が停戦合意の3項目で違反があったと表明
・トランプ大統領とNATOのルッテ事務総長が会談(ワシントンDC)
・米・イスラエル首脳電話会談
・日・イラン首脳電話会談
4/9(木)
・トランプ大統領がイランにホルムズ海峡通航料の徴収停止を要求
・イスラエルのネタニヤフ首相が内閣にレバノンとの直接交渉を指示したと表明
・イランの革命防衛隊がホルムズ海峡の通航停止を発表
・イランがモジタバ最高指導者の声明を発表
・イラン・サウジ外相電話会談
・中朝外相会談(平壌)
・ロシアのプーチン大統領が4月12日の正教会のイースターにあわせて一時停戦を決めたと発表
4/10(金)
・中国の習近平国家主席と台湾の国民党の鄭麗文主席が会談(北京)
・中国の王毅外相と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記が会談(平壌)
4/11(土)
・米・イラン協議(イスラマバード)
・トランプ大統領が「ホルムズ海峡を一掃する」作業を始めると表明
・米中央軍がホルムズ海峡でイランが敷設した機雷を除去するための作戦を開始したと発表
●米・イランの停戦協議
先週も米・イラン情勢は激しく動きました。トランプ大統領はまず日曜(4月5日)、イランが4月7日夜までにホルムズ海峡の再開に同意しなければ大規模攻撃を開始すると表明、そうなればイランは「地獄になる」と警告しました。
そして月曜、トランプはホワイトハウスで記者会見を開き、あらためてイランにホルムズ海峡の開放を要求。「一夜で壊滅させる」「石器時代に戻す」といった過激な発言を行い、トゥルース・ソーシャルでは「今夜、一つの文明が滅ぶ」とも投稿しました。
ところが火曜、トランプは一転して、パキスタンのシャリフ首相からイランへの攻撃を保留するよう要請を受けたとし、イランがホルムズ海峡の開放に同意することを条件に、イラン攻撃を2週間停止すると表明しました。その直後、シャリフ首相が2週間の停戦合意の成立を発表し、イランのアラグチ外相も、イランへの攻撃がなければ報復を控え、2週間ホルムズ海峡の航行を認めると発表しました。
しかしその後、イランのガリバフ国会議長は、イランが提示した10項目の提案のうち、レバノンでの停戦違反、イラン領空へのドローン侵入、イランのウラン濃縮権の否定という3項目で違反があったと主張。イランの革命防衛隊はホルムズ海峡の航行停止を発表しました。
これに対しトランプは、イランがホルムズ海峡の航行をめぐり合意と異なる対応を取っていると批判しました。ヴァンス副大統領も、レバノンでの停戦は合意に含まれていないと主張。一方でトランプは、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、レバノンへの攻撃を抑制するよう要請したと述べました。
また、米中央軍はホルムズ海峡でイランが敷設した機雷を除去するための作戦を開始したと発表。トランプも、日本や中国、韓国への不満に言及した上で、「世界各国のためにホルムズ海峡を一掃する作業を始める」と表明しました。
そして米国とイランはパキスタンの仲介のもと、イスラマバードで直接協議を行いました。米国からはヴァンス、ウィトコフ特使、クシュナー、イランからはガリバフ、アラグチらが出席。しかし、21時間に及ぶ交渉の末、ヴァンスは合意に至らないまま協議を打ち切ると表明しました。
米国がイランへの大規模攻撃に踏み切らなかったのは、前回の記事(以下リンク参照)で予想したとおりの展開でした。一方、その後の停戦合意と直接協議は予想を上回るペースで進みました。最新の状況を踏まえ、今後の展望を解説します。
・「米国のイラン攻撃のエスカレーション」(4/6)
