ウェブで読む(※推奨):https://foomii.com/00187/2020121006000074073 2020年12月10日発行(通算第506号) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界情勢ブリーフィング https://guccipost.co.jp/blog/jd/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ミャンマー現代史(2):民主化と経済発展」(12/3)の続きです。 https://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=8963 前回は、テイン・セイン政権が進めた政治改革と民政移管、そしてアウンサン・スーチー政権の実現までを概観しました。 今回は、先月初めに行われた選挙の意義と今後の展望について解説します。 *********** ミャンマー現代史(3):NLD政権の継続と新たなる挑戦 *********** ●NLD政権の統治 NLD政権の約5年間の統治は、大きな混乱がなかったという点は評価できますが、トータルで見れば「物足りない」ものでした。公約として掲げた憲法改正、少数民族和平は進展せず、経済発展のスピードは期待を下回り、「ロヒンギャ」問題は国際的な非難を浴びたからです。 憲法改正と少数民族和平については、もともと期待が低く、致し方なかったともいえます。いずれも国軍が動かなければ進まない話だからです。 また少数民族和平は中国にかかっている問題でもあります。少数民族武装勢力の中で、現在最も手強く、和平に応じないのは、シャン州にいるコーカン族、ワ族、カチン族の武装組織ですが、これらはいずれも中国の影響下にあります。 もともとこれらの組織のリーダー(山賊の頭目に近い)は、文革のとき下放された中国人で、中国語を話し、人民元を使っています。中国共産党の全面的な支配下にあるわけではありませんが、密接な関係があるとみられています。中国にしてみれば、このままこれらの組織がミャンマー政府に対して反抗を続けてくれた方が好都合なわけです。これが少数民族和平を解決困難にしている最大の理由と考えられます。 「ロヒンギャ」問題も、やはり解決困難な課題です。ロヒンギャは、ラカイン州と隣接するバングラデシュ(ベンガル地方)との国境地域に居住するイスラム教徒です。… … …(記事全文5,994文字)
