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石井順也の世界情勢ブリーフィング

石井順也(元外交官、国際政治、地政学ビジネスインテリジェンス)

石井順也

世界情勢ブリーフィング | 今週の動き(1/19~25)

ウェブで読む(※推奨):https://foomii.com/00187/2020012000000062823 2020年1月20日発行(通算第402号) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界情勢ブリーフィング https://guccipost.co.jp/blog/jd/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先週末はすごく寒いなあ・・と思ったら、雪が降りました。温暖化のせいか東京で雪を見るのは久しぶりだった気がします。 この日はセンター試験だったとのこと。懐かしいですね。「共通一次」が「センター試験」になったとき私は高校生で、これから試験を受けるタイミングだったので、問題の傾向など変わるのかなあ・・と思ったものでした。まあどちらにしても過去問(赤本)を解くことに変わりはないので、気にしませんでしたが。 それにしてもセンター試験や入試のときは決まって雪が降っていたような気がします。そういうこともあって、雪とセンター試験のニュースを見たときとても懐かしい気分になりました。 *********** 先週の動き *********** 1/11(土) ・英領北アイルランドの議会の再開(3年ぶりに自治政府が復活) 1/12(日) ・エスパー国防長官が、1月10日にトランプ大統領がソレイマニ司令官殺害の根拠として4つの米国大使館が狙われていたと発言したことに関して、明確な脅威を示す決定的な情報は見ていないと発言(オブライエン大統領補佐官も米国の施設が差し迫った脅威にさらされていることはわかっていたが攻撃が起こる場所まで把握するのは難しいと発言) ・イラクのバラド空軍基地(米軍駐留基地)がロケット弾の攻撃を受ける ・イラン各地で政府に対する抗議デモ ・カタールのタミーム首長がイランを訪問、ロウハニ大統領と会談(テヘラン) ・英独仏の首脳がイランに対して核合意の遵守を求める共同声明を発表 ・フィリピンのマニラ南方のタール火山が噴火 ・安倍首相がサウジのサルマン国王とムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談(リヤド、ウラー) ・河野防衛相が訪米(ハワイ、ワシントンDC)(~16日) 1/13(月) ・トランプ大統領がソレイマニ司令官殺害の根拠について「差し迫った脅威」があったかは「どうでも良い」とツイート ・米財務省が為替報告書を議会に提出(中国の為替操作国認定を解除) ・米財務省が対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大する法律の最終規則を発表(2月13日に発効予定) ・米財務省がベネズエラの政治家7人をマドゥロ大統領の指示に従って民主的な手続きを阻止しようとしたことを理由に制裁対象に指定 ・米民主党のコーリー・ブッカー上院議員が大統領選挙から撤退 ・リビアのシラージュ暫定政権と武装勢力「リビア国民軍」の代表がロシアとトルコによる停戦協議に参加(モスクワ) ・安倍首相がUAE(アブダビ首長国)のムハンマド・ビン・ザイド皇太子と会談(アブダビ) ・茂木外相が訪米(~16日) 1/14(火) ・米財務省が北朝鮮労働者の違法な海外派遣に関与したとして北朝鮮の2団体を制裁対象に指定 ・日米韓、米韓、日米、日韓外相会談(サンフランシスコ) ・米民主党の大統領候補者の第7回テレビ討論会(アイオワ州デモイン) ・英独仏がイラン核合意の紛争解決メカニズム(DRM)を発動 ・イラン司法府が違法なデモ行為に参加したなどとして約30人を拘束したと発表 ・イラクのタージ空軍基地(米軍駐留基地)がロケット弾の攻撃を受ける ・韓国の文在寅大統領の新年記者会見 ・安倍首相がオマーンのアスアド国王特別代理、ファハド副首相と会談(マスカット) ・日米防衛相会談(ワシントンDC) ・日中戦略対話(西安) 1/15(水) ・米中の「第1段階」の通商合意の署名式(ワシントンDC) ・米下院がトランプ大統領の弾劾決議を上院に送付する決議を可決 ・イランのロウハニ大統領が「今日は米国の兵士が危険にさらされている。明日は欧州の兵士が危険にさらされるかもしれない」と発言 ・ロシアのプーチン大統領の年次教書演説(メドベージェフ首相が内閣総辞職を発表) 1/16(木) ・米上院がUSMCAの実施法案を可決 ・米上院でトランプ大統領の弾劾裁判が開廷 ・米議会の付属機関である政府監査院(GAO)がトランプ政権によるウクライナ向けの軍事支援の停止は違法との認識を表明 ・ウクライナ内務省が米国のヨバノビッチ元駐ウクライナ大使に対して違法に監視が行われていた疑いがあるとして刑事事件として捜査を始めたと発表 ・イランのロウハニ大統領が「核合意の前よりも1日当たり多くのウランを濃縮している」と発言(テヘラン) ・カナダ、ウクライナ、スウェーデン、アフガニスタン、英国の外相らがイランによるウクライナ機の撃墜について犠牲者への補償を求める声明を発表 ・プーチン大統領がミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官を新首相に任命 1/17(金) ・イランのハメネイ最高指導者が金曜礼拝の演説(12年以来8年ぶり) ・ウクライナのホンチャルク首相が辞意を表明するもゼレンスキー大統領に慰留され撤回 1/18(土) ・イランの事故調査当局がイランによって撃墜されたウクライナ機から回収されたフライトレコーダーをウクライナに引き渡すと表明 ・英王室がヘンリー王子とメーガン妃の今春からの王室の公務からの引退(称号の返上)を発表 ●米中の「第1段階」の通商合意の署名式 米中両国が「第1段階」の通商合意について正式に文書に署名しました。USTRは96ページ(英語)、中国商務部は88ページ(中国語)に及ぶ協定文を公開しています。署名が危ぶまれるとの見方もありましたが、本メルマガは以下の記事で述べたとおり、昨年の時点でこの結果を予想していました。 ・「米中の『第1段階の合意』」(19/12/17) また、米国は昨年8月に中国を為替操作国に認定していましたが(以下の記事参照)、署名式の2日前に財務省が半期為替報告書を発表(議会に提出)し、為替操作国の認定を解除しました。為替報告書は本来であれば昨年10月に発表される予定だったのですが、延期を続け、今回のタイミングに合わせて発表したことになります。 ・「米国による中国の為替操作国認定」(19/8/12) 今回の合意の意義と今後の展望について、明日解説します。 ●米上院のUSMCA可決 上院が弾劾裁判に入る前に「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の実施法案を可決しました。トランプ政権の大きな外交成果になります。 カナダの議会は1月27日に再開するのでそこで批准、その90日後の5月以降に発効の見通しです。 ●英独仏によるイラン核合意の紛争メカニズム発動 英独仏(E3)がイラン核合意の紛争解決メカニズム(DRM)を発動しました。ここから35日間のレビュー期間を経て、協議が不調に終われば、国連安保理に通知することになります。その後、安保理が制裁解除を継続する決議を30日以内に可決しなければ、制裁が復活(スナップバック)します。 E3がここまで踏み込んできたことは驚きでした。もっとも、今回の措置は直ちに制裁がスナップバックすることを意味するものではありません。今後の展望を解説します(※メルマガに限定)。 ●イランによるテロ攻撃の可能性 読者の方からメールで以下の質問をいただきました。 >いつも楽しく、又興味深く購読させていただいております。 >今メルマガで言及されているイランとアメリカの関係の中で、当該地域以外のテロの可能性(特にアメリカ本国)についてはJDさんはどのような見解をお持ちでしょうか? >9.11のような大規模なテロではないにしても、今回の報復の影響を受け、一般市民をまきこんだテロが活発化させることは考えられるでしょうか? 私からの回答を述べます(※メルマガに限定)。 ●トランプ弾劾裁判の開廷 先週、下院がトランプ大統領の弾劾決議を上院に送付する決議を可決。これを受けて上院で弾劾裁判が開廷しました。今週(1月21日)から実質的な審議が始まります。 以下の記事で述べたとおり、マコーネル上院院内総務は早期決着を目指す方針です。今後の見通しをコメントします(※メルマガに限定)。 ・「トランプ弾劾裁判」(1/13) ●米民主党の大統領候補者の第7回TV討論会 今回の討論会(参加者については以下の記事参照)が2月3日にスタートする予備選の前に開催される最後の討論会になります(その後は2月7日、19日、25日と3回予定され、その後に3月3日のスーパーチューズデーに突入します)。 ・「米民主党の大統領候補者の第7回TV討論会」(1/13) 討論会の注目点は二つありました。一つはソレイマニ司令官の殺害から始まるイランとの軍事衝突の危機を受けて、外交・安全保障についてどのような議論が行われるか。 もう一つはバーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンの間にどのような論戦が交わされるか。というのも、討論会の直前に生じた出来事によってサンダースとウォーレンの間では緊張が生じていました。 まずサンダースの選対チームがボランティアに配ったペーパーに「ウォーレンの支持者は高学歴な富裕層で、支持層の拡大ができていない」と指摘されていたことがあります。これを知ったウォーレンは「失望した」と述べました。 次にウォーレンは、18年12月にサンダースと話したとき、サンダースが「女性では大統領選に勝てない」と発言したことを明らかにしました。サンダースはこの発言を否定しています。 これまで盟友関係にあった二人の間に亀裂が生じたことは大いに注目を集めました。トランプもツイッターで喜んで揶揄しました。 今回の討論会についてコメントを述べます。また、ブルームバーグをめぐる注目すべき動きをお伝えします(※メルマガに限定)。 ●プーチンの政治改革とメドベージェフ首相の辞任 ロシアのメドベージェフ首相が内閣総辞職を発表しました。突然の発表に衝撃が走りました。 後任首相にはプーチン大統領が連邦税務局のミハイル・ミシュスチン長官を任命しています。ミシュスチンはほぼ無名のテクノクラートですが、徴税のデジタル化で手腕を発揮し、実務能力が高く評価されていました。一方、メドベージェフは安全保障会議の副議長(新設ポスト)に就任する予定です。 メドベージェフの発表の数時間前、プーチンは年次教書演説を行っています。そこで「政治システムを大幅に改革する」と表明し、議会の権限強化に向けた憲法改正を提案しました。 この二つの出来事が意味するものを解説します(※メルマガに限定)。 *********** 今週の動き *********** 1/19(日) ・リビア和平協議(ベルリン) 1/20(月) ・マーチン・ルーサー・キング祝日 ・ファーウェイの孟晩舟CEOの身柄引渡しに関する審理の開始(バンクーバー) ・EU外相理事会(ブリュッセル) 1/21(火) ・米上院でトランプ大統領の弾劾裁判の審理開始 ・世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)(ダボス、~24日) ・英上院がBREXIT協定法案について採決 ・EU財務相理事会(ブリュッセル) ・タイの憲法裁判所が新未来党の解党に関する判断 1/23(木) ・ECB定例理事会(フランクフルト) ・国際司法裁判所(ICJ)がミャンマーの「ロヒンギャ」に対するジェノサイドの申立て事件の仮処分に関する判断 1/25(土) ・中国の春節(旧正月)(~27日) ●ダボス会議 トランプ大統領は昨年のダボス会議には出席しませんでしたが、今年は出席すると発表。イランのザリーフ外相が欠席を決めたのを見て出席を決めたらしい・・との報道もありました。 *********** あとがき *********** ■ Klobuchar stumbles in recalling name of female governor in Kansas(1月14日付The Hill) 民主党の大統領候補の第7回TV討論会でクロブシャーが親友のカンザス州知事(ローラ・ケリー)の名前をなかなか思い出せなかったことが話題になりましたが、こういう場面は「リック・ペリー・モーメント」と言われています。 11年大統領選に共和党から出馬したリック・ペリー(トランプ政権でエネルギー長官に就任、昨年12月に退任)はTV討論会で「3つの政府機関を廃止すべきだ、商務省、教育省・・あと・・なんだっけ?」と述べて、どうしても3つ目の機関を思い出せなかったことがありました。「I can’t. Sorry. Oops.」・・この瞬間があまりに面白く、その素敵な笑顔とともに伝説として今なお語り継がれています。 ■ Rick Perry's 'Oops' Moment at 2011 Presidential Debate(16年12月13日付ABC News)
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