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渡邉哲也の今世界で何が起きているのか

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第3105回 国の災害対応について
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★地震と国の役割について 1月1日 石川県を中心とした能登半島で大きな地震が発生しました。まずは被害を受けた方々にお見舞い申し上げます。その上で、大規模災害が発生した場合の国の対応について考えたいと思います。

 今回の地震ですが、次の対応になりました。

1月1日 午後4時10分頃発災 

同日、午後4時11分、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置 

同日、午後4時45分 馳知事による自衛隊災害派遣要請

 基本的に、震度5以上の地震など大規模災害が発生するであろう事態が起きた場合、即座に官邸対策室が作られることになっています。対策室設置と同時に防災担当大臣など関連閣僚に非常召集がかかります。 また、同時に気象庁や自衛隊などに情報収集の指示が出され、官邸の危機管理センターにその情報が集約される仕組みになっています。

 毎年1月1日には「新年祝賀の儀」が皇居で行われており、三権の長や閣僚、県知事などがそれに招待されています。今回、石川県の馳知事は、これに合わせ東京に滞在していたと思われます。馳知事は即座に官邸の危機管理センターに入り、副知事などの現在の状況について話し合ったとされています。このため、非常に早い段階で自衛隊の災害派遣要請が出されました。

 基本的に災害対策は、都道府県の管轄であり、知事の権限で行うことになっています。これは国が直接、避難所や非難計画を策定することができない(人員的にも)ため、平時に非難計画などを作り避難所や避難物資を管理する都道府県に権限が委譲されているためです。また、政令指定都市に関しては、政令指定都市がこれを行っていますが、都道府県との合意がある場合は政令指定都市に、合意がない場合、都道府県がその権限を持つことになります。 これは熊本地震の教訓です。熊本市は政令指定都市であり、熊本市が災害計画と避難物資を管理していました。このため、県は熊本市ではこれを管理しておらず、避難物資等がいきわたらない事態になりました。県と市で二重行政による問題が発生したわけです。

 また、自衛隊の災害派遣に関しては、三要素 緊急性、公共性、非代替性 がある場合、知事が要請することになっています。また、都道府県などの被害が甚大で、知事に要請する能力がない(死亡重態や行方不明など)と判断した場合、総理がこれを代行できることになっています。官邸対策室が設置された場合、自衛隊に出動要請が出た場合の準備の指示が出されます。自衛隊は初期の出動準備に入り、災害派遣の準備計画に合わせ作戦行動を策定し、自衛艦の召集や物資の供給計画が練られることになります。今回の地震では陸路での輸送が困難と判断され、海上自衛隊による海路での物資運搬が計画されました。しかし、港湾の被害が大きく着岸できないため、揚陸艇での物資の運搬作戦が取られることになりました。

 また、港湾の被害状況の把握により、着岸可能な民間船舶を確保し、九州からの民間船による物資搬入が行われる予定となりました。能登半島と能登島を結ぶ橋は地震で通行できない状態にあり、港湾に関しては能登島港に2m程度の段差が生じている状態です。このため、自衛隊などにより、能登島港の段差を一時的に解消し、輸送可能にする手立てがとられています。


 そして、災害発生後は以下のフローチャートでほぼ自動的に進むように規定されています。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/wxad/kensyu/h29/pdf/2-2-2.pdf


 よく話題となる『激甚災害指定』ですが、激甚災害指定が行われた場合、地方自治体の負担がほぼゼロになり、国の負担で災害対策と復興が行われることになります。これはあくまでも予算処置であり、災害被害の把握と費用算定が必須になります。このため、激甚災害指定は2-3か月後に行われることになります。しかし、それでは迅速な救援、復興作業ができません。この問題を解消するため、2015年『激甚災害指定の見込み』という制度ができました。『見込み』を総理が発表することで、国による予算処置が確定し、迅速な地方自治体による物資の購入や事業の発注(道路の回復など)が可能になったのです。


 また、総務省(旧自治省を含む)は、都道府県に対し、災害発生時のHPなどのモデルを提供しており、被災者や関係者などへの情報発信を強化しています。

https://www.pref.ishikawa.lg.jp/


 そして、募金ですが、『災害募金』と『義援金募金』の異なる募金が存在します。『災害募金』は、災害に対する募金であり、災害支援などを行うNPOなどの団体が募集するものであり、集められたお金は、災害支援活動の原資として使われます。それに対して、『義援金募金』は、全額が被災者に被害の程度に応じて主に現金で分配されるものです。これは『日本赤十字社と地方自治体』が運営しています。集められた義援金は、集約され、最終的に地方自治体が給付する形です。地方自治体と日本赤十字どちらに寄付しても同じですが、被災した自治体の事務的負担を減らすという意味では日本赤十字社がお勧めです。自治体による寄付証明などを発行する手間が軽減できるからです。

 

 また、義援金や募金は一定の条件で損金として計上できることになっています。

寄附金・義援金

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/higashinihon/gienkin/index.htm

 これらは過去の災害に対する対応と反省から生まれたものであり、フローチャートでほぼ自動的に進むように出来上がっています。しかし、実際の災害ではそれぞれ個別の特有の問題が生じます。これを解決するのが政治の仕事であり、実際の指揮を執る総理や知事の力量となるわけです。


■米国務長官、4日に中東訪問出発 紛争拡大防止策を協議

https://jp.reuters.com/world/security/4SSH7NGKUVN6NKXGRCMG7MQAUQ-2024-01-04/


■イスラエル国防相、ガザ戦闘の新たな段階巡り説明

https://jp.reuters.com/world/mideast/FJK7LF66CVLDTA4TCWXGGMEPS4-2024-01-04/

■イスラエル軍、ヨルダン川西岸で多数拘束 過激派関与の疑い

https://jp.reuters.com/world/security/HRXHJHWNDZI43LV3NMKQBYV6MA-2024-01-04/


■北朝鮮がロシアに弾道ミサイル提供、国連安保理に報告へ=米政府

https://jp.reuters.com/world/ukraine/AOOYNK247ZK5ZPVJ4FSFQJLLUA-2024-01-04/


■トランプ氏、連邦最高裁に介入要請 コロラド州判決の無効求める

https://jp.reuters.com/world/us/A5CWMYRK6BLWRKP6U3YBD3YK7Y-2024-01-03/

■トランプ陣営、アイオワ州で最大級の選挙イベント 本人は不在

https://jp.reuters.com/world/us/773W56HIRFMKRPYUIHTBQHKLOY-2024-01-04/


■上海のオフィス空室率、過去10年で2番目の高水準-不動産会社幹部

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-04/S6QTCGT1UM0W00?srnd=cojp-v2


■中国、ミャンマーから砲弾で抗議 「戦闘停止し再発防止を」

https://jp.reuters.com/world/security/5PIS3HRF4RJTXHOBWUCMHZAK5Q-2024-01-04/


■米韓、北朝鮮軍事境界線付近で合同射撃訓練 4日まで1週間

https://jp.reuters.com/world/us/NTGOZ2UD7JO3BGFXRVHQ4YK7GM-2024-01-04/

■中国気球、2日連続で台湾本島上空に 新竹の空軍基地付近を飛行

https://jp.reuters.com/world/taiwan/K644VRMMEFJRRBHZHLHCLATGTU-2024-01-04/


■東京マーケット・サマリー・最終(4日)

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/LAYXQLES65OKBA6QPHUPR7WBII-2024-01-04/

■アジア株式市場サマリー:引け(4日)

https://jp.reuters.com/markets/asia/KYQ6XBYW2VLU5GHOJQESJ74KUM-2024-01-04/

■欧州市場サマリー(4日)

https://jp.reuters.com/markets/europe/MQFXDXY4Q5LRRBZDRJ3NDEGZRY-2024-01-04/

■NY市場サマリー(4日)ダウ小幅高、ドル上昇、利回り上昇

https://jp.reuters.com/markets/us/HLSMLJZWWBOTXER2NDCCKQFHYU-2024-01-04/


『出展 記載なきものロイター Bブルームバーグ』


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