ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00049/2020022108234963894 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2020/02/21 第2054回 感染拡大とアビガンへの期待 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★新型肺炎 世界中で感染が拡大しています。イランでも感染者の死亡が確認され、韓 国でも大規模感染が起きています。日本でも感染源不明の感染が複数個所で確認されて います。このウイルスの特徴は、軽症及び無自覚感染者が存在し、潜伏期間が長く潜伏 期間中でも感染することがあることであり、これが感染阻止を難しくしています。 今回のコロナウイルスはRNAウイルスに属するもので、感染した宿主の中で遺伝子で あるRNAを自らコピー(複製)することで増殖し、宿主に健康被害を与えます。このた め、複製を阻害するHIV関連の薬品やインフルエンザ薬などの効能が期待されているわ けです。 特に富士フィルムグループの富山化学のアビガンは、RNAの複製を阻害する 効果が高く、他のRNAウイルスでの実績もあるため、効果が期待されています。中国は アビガンのライセンスを取得し、治療に使用し始めました。問題は主な副作用ですが、 妊婦に使用した場合、奇形児が生まれる可能性があることです。しかし、逆に言えば、 妊婦以外には利用できるということであり、その効果次第では大きく重篤患者や死者を 減らすことができます。また、予防服用の効果が認められれば、感染予防にも活用でき ます。 まだ、効果の程度がわかりませんが、中国では量産を始めており、日本にも備 蓄があるため、大きな期待を持たれています。… … …(記事全文2,988文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)