昨日の市場は、ECBが中央銀行のスワップを利用し、銀行に対し年末越えの直接ドル供 給を行うことを発表、これを好感する形で欧州のリスク見通しが改善、危機感が緩和され る結果に このスワップに因る直接ドル供給は、リーマン・ショック後に行われた緊急対 策の一つでもある。 ドル(米国)の銀行間市場で資金を調達できなくなった銀行に変わり、ECBがFRBから資 金を借入れて、ドルを欧州圏内の銀行間市場で銀行に直接貸し出すという物、銀行間市場 が閉鎖され資金が枯渇する年末を超える資金の貸し出しということで、銀行間の信用不安 はかなり改善されるものと思われる。 しかし、危機が噂される国や銀行からの資金流出は今後も継続するものと思われ、本質 的な解決手段とはならない。これはドルの資金ショートによる突然死防止の手段でしかな い。 スイスのUBSでトレーダーによる不正な取引と巨額の損失が発生したことが判明した。… … …(記事全文4,973文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)