… … …(記事全文2,798文字)<OPECプラスは7月も大規模増産に踏み切るか>
NYMEX原油先物相場は1バレル=60ドル台前半で売買が交錯している。米中両国が関税引き下げで合意した後の反発は一服しつつあるが、改めて大きく売り込むような動きまではみられず、決定打を欠いている。需給緩和見通しに対する信頼感が維持される一方、地政学リスクの高まりに対する警戒感もあり、上下双方に明確な方向性を打ち出せていない。
ただし、需給緩和見通しは強化されている。Bloombergは5月22日、石油輸出国機構(OPEC)プラスが7月も日量41万1,000バレルの減産縮小(=増産)を検討していると報じた。正式な決定は6月1日に行われるが、同報道が事実だとすれば、OPECプラスは3ヵ月連続で日量41万1,000バレルの供給増を行うことになる。単純計算だと3ヵ月累計で123万3,000万バレルの供給増加であり、今年の需要環境・見通しからは供給過剰を決定づけ得る数値との評価が求められる。