… … …(記事全文2,855文字)<ムーディーズも米国の格下げに踏み切る>
格付会社大手ムーディーズ・レーティングスは5月16日、米国の信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に一段階引き下げた。S&Pグローバル・レーティングは2011年8月に、フィッチ・レーティングスは23年8月に、それぞれ米国の信用格付けを最上位の「AAA」から「AA+」に一段階引き下げていたため、これで主要格付3社の全てで、米国は最上位の格付けを喪失したことになる。ムーディーズは、見通しについては「ネガティブ」から「安定的」に修正しており、ここから断続的な格下げが想定されている訳ではないが、米国の債務問題の深刻度が増していることは間違いないだろう。
ムーディーズは今回の格下げの理由について、米国の連邦債務が急増していることを指摘している。政府支出が増大する一方で、減税によって歳入は減少している結果、財政赤字と債務が拡大していると報告している。その上で、金利上昇によって政府債務の利払いが著しく増加していることも指摘されている。