… … …(記事全文3,425文字)<通商リスク軽減期待では上げきれなかった原油>
NYMEX原油相場は1バレル=60ドルの節目を挟んで上値の重い展開が続いている。5月12日に米中両国が関税の大幅引き下げで合意すると、世界経済の先行き不透明感が後退したこと、投資家のリスク選好性が高まったことが、株価と同様に原油相場も押し上げた。5月5日の55.30ドルをボトムに、13日には63.90ドルまで切り返している。しかし、世界の主要株価指数のようにトランプ米大統領の相互関税が発動される前の水準を回復する勢いは見られず、安値低迷状態の中での修正高圧力に留まりそうな状況にある。通商リスクの軽減評価を前提にしても、原油需給の緩和評価を修正することは難しいことが窺える。
5月14日には石油輸出国機構(OPEC)、15日には国際エネルギー機関(IEA)がそれぞれ最新の月報を発表したが、原油相場の反発傾向を支持する内容にはならなかった。
【NYMEX原油先物相場(日足)】