□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年04月05日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 対立する中国と米国とを結ぶ穀物の流れ、米中貿易戦争がシカゴ穀物を直撃 =================================== <米中貿易戦争の直撃を受ける穀物相場> シカゴ穀物相場が荒れている。中国政府が4月4日、米国の農産物を中心とした106品目に対して25%の追加課税の報復措置を準備すると発表したことが材料視された結果である。米国が知的財産権侵害を理由に中国製品1,300品目に25%の関税を課す方針を決めたことに対する報復措置である。 昨年の段階から米中通商関係の悪化で貿易戦争が発生すれば、米国サイドで最も大きな影響を受ける可能性がある分野の一つが農産物とみられていた。工業品では自動車と飛行機も今回の制裁リストに載せられているが、半導体などは中国産業に対する影響も大きく、世界的な豊作で荷余り傾向が強く代替供給品の調達が比較的容易な農産物が報復リストに掲載された格好になる。米国側は、通信衛星、産業用ロボット、半導体、発光ダイオード(LED)などの中国政府が力を入れているハイテク分野を主な課税対象としているが、中国側は大豆、トウモロコシ、小麦、牛肉、タバコといった農産物関連分野を主な課税対象としている。こうしてみると、両国が互いのボトルネックとみている産業分野が良く理解できよう。… … …(記事全文3,899文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)