□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2016年11月14日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。原油相場の短観です。米大統領選後のトランプ・ラリーとも言われるリスクオン環境にありながらも、原油相場は上値の重い展開を強いられています。今回は、その原因となった可能性が高いOPECとIEA月報を読み解きます。新しい材料が出てきたというよりも、相場ポイントを再確認させる内容になっています。 =================================== 株高でも原油安を促す背景となった、OPECとIEAの両月報が発したメッセージ =================================== <リスクオンの地合でも上がらない原油価格> 米国株式市場でダウ工業平均株価が連日の過去最高値更新となる一方で、原油相場は改めて上値の重い展開を強いられている。米株式市場では、大統領選で勝利したトランプ氏の政策期待が強まる中、1)金融規制緩和の解除を受ける金融株、2)財政出動の支援を受ける公共事業関連株、3)オバマケア縮小の恩恵を受けるヘルスケア株などを中心に急伸しているが、原油相場はこうしたリスクオンの地合の恩恵を享受できない状況になっている。 その原因の一つが、ドル高であることは間違いない。トランプ氏が財政拡張に舵を切るとの見方からインフレ期待が米長期金利の上昇を促しており、それに伴うドル高プレッシャーがドル建てコモディティ市況全体の上値を圧迫している。特に大きなダメージを受けているのが通貨性もある貴金属相場になるが、原油相場においてもドル相場の大きな変動は軽視すべきではない。もっとも、急激なドル高圧力といっても、トランプ氏勝利直後のドル安水準との比較では4.0%のドル高、開票前との比較では1.6%のドル高であり、これだけで原油相場が何ドルも下落するような動きではない。実際に、11月9日の取引ではリスクオンの地合と連動して選挙結果が判明した直後のアジアタイム安値1バレル=43.07ドルに対して、ニューヨークタイムには45.95ドルまでの切り返しが観測されている。しかし、その後は11月10日が前日比0.61ドル安、11日が同1.25ドル安となっており、トランプ氏勝利後の最安値を早くも下回り始めている。… … …(記事全文4,998文字)
