… … …(記事全文3,499文字)シンガポール在住FPの花輪陽子です。
お手伝いさせていただいたヘッジファンドマネージャーの河北博光さんの本が発売になります。30年以上日本株のファンドマネージャーとしての経験をわかりやすくまとめた本なのでぜひお手に取ってご覧ください。
★株式投資1年目の教科書日本の創業家や富裕層の間で、資産の国際分散と次世代承継の拠点として、シンガポールは依然として高い人気を維持しています。
一方で、近年の規制強化により、ファミリーオフィスを取り巻く環境は大きく変化しました。経済的実体(Economic Substance)への要求は高まり、税制優遇を享受するためのハードルも以前より明確になっています。
その結果、かつては「とりあえずSFO(Single Family Office)を作ればよい」と考えられていた時代から、「資産規模や家族構成、居住計画に応じて最適な器(スキーム)を選ぶ時代」へと移行しています。
本稿では、・単独SFO(Single Family Office)の設立・既存のMFO(Multi Family Office)の活用・VCC(Variable Capital Company)サブファンドの活用
という3つの選択肢を比較しながら、日本の創業家が見落としがちな「居住性」「事業承継」「ガバナンス」の論点について解説します。
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1.単独SFOという「自前の城」の魅力と現実
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単独SFO最大の魅力は、自一族のためだけに完全にカスタマイズされた資産管理体制を構築できることです。
投資方針、承継ルール、一族のガバナンス体制を自ら設計できるため、長期的な資産保全や世代間承継との相性は非常に高いといえます。
しかし現在のシンガポールでは、SFOに対して実質的な経済活動(Economic Substance)がこれまで以上に重視されるようになっています。
【実務上の主な論点】
・投資専門人材(Investment Professionals)の配置要件(13Oでは通常2名、13Uでは通常3名)・ローカルビジネス支出(Local Business Spending)要件・シンガポール経済への一定の投資要件(CDR)・コンプライアンスや各種報告義務への継続対応これらは設立時だけでなく、毎年発生するランニングコストです。
