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田村秀男(ジャーナリスト)

田村秀男

高市政権が「骨太の方針」で日銀に政府成長政策との連携を求めるのは理にかなう

高市早苗政権が7月に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案では、真っ先に「強い経済」を実現させるためにも、日銀に対し適切な金融政策の運営を求めるという。「これまで圧倒的に不足してきた国内投資を徹底的にテコ入れすることが急務」だと指摘、日銀については「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」と明記する。政府と日銀の「緊密な連係」の必要性を強調しており、追加利上げを優先する日銀に対し、政府と足並みをそろえるよう求める。

政府と日銀の「緊密な連係」とは、まわわざごくあたりまえのことと思われる。日銀法第4条では日銀金融政策に政府政策との整合性を求めているし、2013年1月の第2次安倍晋三政権と白川方明総裁の日銀との「共同声明」では「政策連携」をうたっている。にもかかわらず、高市政権が財政の基本方針を示す「骨太」で全面的に日銀の連携を求めるのは、植田和男総裁の日銀が日銀法で保証された政府からの独立性をタテに物価安定重視を大義名分に利上げ路線に突っ走る姿勢を示しているからだ。確かに、日銀の金融政策運営上の「独立性」の重要性はだれもが認めるわけだが、物価高なら即利上げという植田日銀の路線は余りにも教条主義的であると、拙論は本シリーズで論じてきた。現在の物価高は、原油高騰を背景にしたコストプッシュ・インフレであり、需要の高まりを受けたインフレとは言い難い。需要は脆弱なのだ。しかも、原油価格は米・イランの戦闘終結覚書合意を機に急落傾向にある。企業はコスト高分を時間をかけながら価格転嫁している。日銀は価格転嫁速度が速くなると断じて、追加利上げを急ぐがあまりにも独断が過ぎると、拙論は批判してきた。利上げで脆弱な内需の回復にダメージを与えると、価格交渉力が弱い中小・零細事業者は苦境に陥り、賃上げや設備投資どころではなくなる。そうなると、投資主導の経済再生を狙う高市路線の足下が揺らぐ。拙論は高市政権に対し、日銀に対し政府との政策整合性を求めよと勧めてきたが、その線に沿って骨太の方針に盛り込むのは理にかなっている。

以下、改めて日銀の拙速な利上げの問題点と、高市政策とのズレを詳述する。

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