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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #116:ロシアにおける騒乱①(全2回)、戦争とサイファーパンク⑦(全7回)#ワグネル #ロシア #プリゴジン#チェチェン

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00223/20230625220000110711 //////////////////////////////////////////////////////////////// やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~ https://foomii.com/00223 //////////////////////////////////////////////////////////////// 第116号(2023年6月25日発行)、今回のラインアップです。 ①世界各国の地理情報  ~ロシアにおける騒乱①(全2回)~ ②ブロックチェーンは地理から学べ!  ~戦争とサイファーパンク⑦(全7回)~ //////////////////////////////////////////////////////////////// こんにちは。 地理講師&コラムニストの宮路秀作です。 日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。 今回で116回目のメルマガ配信となります。 日本において、正規雇用と非正規雇用という言葉があります。非正規雇用はどうしてもマイナスなイメージで捉えられることがありますが、人生は色々な形がありますので、非正規雇用の方が都合が良いという人もいることは間違いありません。 また別に、プロパーとノンプロパーといった言葉もあります。例えば、わたくしは大学では地理学を修めていますので、「地理学プロパー」と自認していますが、博士はおろか、修士すら修めていませんので、「お前が地理学プロパーを名乗るんじゃない!!!」と後ろ指を指されることがあるのかもしれませんが、後ろ指なので見えていません。 それはさておき、自身をプロパーのエリートであるという誇りは、時に歪んだ思想をもたらすことがあるように思えます。 日本の官僚機構などを見ていると、閉鎖的、稟議書やハンコなどのわずらわしい手続きを未だに採用している、先例踏襲で疑うことをしない、創意工夫の欠如、派閥意識、縄張り意識など、そんなつもりはありませんが、もはや悪口にしか聞こえないような言葉ばかりが思いつきます。 とにかく、この官僚主義は時代に即応できているとはとても思えず、「世の中は民から変わる」のが常であるにもかかわらず、それを官が邪魔をする構図が散見されます。しかし、先例踏襲で疑うことをしないため、「それの何が悪いか!?」といった感情が先走り、「官僚は間違えてはいけない」が「官僚が間違うはずがない」へと昇華、いや悪化していくわけです。 そして、自分たちがプロパーであることの誇りを大事にして、協力者であるはずの人間をも見下してしまうことが多々あるわけです。自らの保身や出世、そんなことばかり考えるあまり、国民の生活などはどうでも良い、そんな人たちが一定数いることは事実です。 「敵の敵は味方」とはよくいったものですが、本来は「同志」であるはずが、「オレはプロパーだから!」と協力体制よりも、従属体制を強いれば何も上手くいかないどころか、「寝首を掻かれる」こともありうるのです。 「その時点での最強の布陣」を敷くためには、やはりそれを率いる指導者の存在が大きく物をいいます。内部がバラバラ、指導者の意向が届かない、そんな状況で、その先に見えるのは「敗戦」しかないことでしょう。 それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。 よろしくお願いします! //////////////////////////////////////////////////////////////// ①世界各国の地理情報 ~ロシアにおける騒乱①(全2回)~ 「24時間でモスクワから200キロ圏内まで来た」 6月24日遅く、ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジンが音声メッセージをSNS「テレグラム」に投稿しました。そして続けました。 「今や血が流れかねない時を迎えている。ロシア人の血が流れる可能性があるという事実を自覚し、我々は部隊を方向転換させている」 結局は、「えっ? 何だったの?」と思うほどの出来事であり、最終的にはベラルーシ大統領ルカシェンコの仲介であっという間に事態は収束へと向かいました。 この度のロシアにおける騒乱についてもたらされたのは、 ①ロシア軍上層部がいかにポンコツかがバレた ②プーチン大統領の統制が行き届かなくなっている ③ロシアにおける軍事的な分裂が進行中 の3つといえます。 今回のメルマガでは、ロシア軍内部における混乱がなぜ生じているのか、考えられることを考察してみたいと思います。何となく、「ロシア軍vsワグネル」といった内乱のように扱われるかもしれませんが、ここに「カディロフツィ」が加わって、自体を複雑にしているように思えます。 「カディロフツィ」とは一体何なのか? ワグネルとロシア軍との対立はいつから始まっていたのか? 深掘りしていきます。 ■プリゴジンはなぜ怒っている?
… … …(記事全文10,022文字)
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