Foomii(フーミー)

蓮池透の正論/曲論

蓮池透(元東京電力原子力エンジニア)

蓮池透

9月17日は良くも悪くも拉致問題の原点 忘れてはならない (上)

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00200/2021091006000084708 //////////////////////////////////////////////////////////////// 蓮池透の正論/曲論 https://foomii.com/00200 ////////////////////////////////////////////////////////////////  1週間後の9月17日は何の日か。自民党総裁選の告示日、間違いではない。ニューヨーク同時多発テロ事件発生の日、それは9月11日だ。  2002年小泉純一郎首相電撃訪朝の日である。あれから丸19年になる。そう記憶している人がどれだけいるのだろうか。30代半ばの人たちにとって知らないのは無理もない。しかし、テレビ、新聞などメディアの記者も世代交代し、拉致問題担当班はとっくに消滅している。19年では、節目報道も期待できないのは当然のことかも知れない。  何の進展もないまま19年という、とてつもない時間が流れてしまったのは、偏に日本政府の無為無策が原因である。若い世代に託す問題ではない、と私は訴え続けてきたつもりだ。毎年繰り返すことに怒りを覚えるが、この良くも悪くも拉致問題の原点である9月17日を決して忘れてはならない。世の中の多くが記憶を喪失し、日本政府に拉致問題を歴史上のひとつの出来事として闇に葬るようなことをさせてはいけない。  そういった強い気持ちのもと今年も書く。本稿では、2002年9月17日及びその前後で何が起きていたのか、渦中にいた私が知り得なかった周辺情報も含めて、できる限り忠実に再現したい。 〇訪朝前の動き  前回記したとおり、田中均元外務省アジア大洋州局長と北朝鮮のいわゆる「ミスターX」との水面下交渉の結果、日朝国交基本原則は確認され、経済協力の規模に関する了解を残すのみとなった。拉致問題については、「ミスターX」から言及はなかったが、日朝首脳会談でなにかしらの回答を出すことで合意した。田中氏の著書によれば、小泉訪朝時には「金総書記が拉致を認めて謝罪し、情報を提供し、生きている人を帰すという約束をするだろうと考えた」とあるが、結果はそうではなかった。  この報告を受け、小泉首相は首脳会談のため訪朝を決断し、その準備が始まった。この決断は、8月21日外務省の谷内正太郎総合外交政策局長、藤崎一郎北米局長、海老原紳条約局長に知らされた。また、27日には来日した米国アーミテージ国務副長官、ケリー国務次官補に通告、30日朝までに安倍晋三官房副長官に知らせたうえで、同日午後、福田康夫官房長官が記者会見で公表した。
… … …(記事全文4,722文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:330円(税込)

    ひと月まとめて購入するとさらにお得です。

    価格:1,100円(税込)

    2021年9月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する