… … …(記事全文5,303文字)なぜ『廠舎』は防衛整備計画に入らないのか?
― 現場で消耗する自衛官と、政策文書に見えない“格差” ―
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◆ 廠舎は「優先されていない」のか?
防衛整備計画で「廠舎が軽視されている」と指摘したところ、
> 「整備計画に廠舎の優先順位なんて書いてませんよ」
> 「そもそもそういう文書ではないです」
…という反論が届きました。
なるほど。そう見えるかもしれません。
でも私が問題にしているのは、「書いてないことの意味」です。
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◆ なぜ、廠舎は存在するのに、書かれていない。
廠舎とは、訓練や演習の際に自衛官が寝泊まりする一時的な宿泊施設です。
全国に約200ヶ所ありますが、**建て替えが行われたのはわずか3ヶ所**。
にもかかわらず、防衛整備計画に廠舎の文字は一切登場しません。
これは偶然でしょうか?
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◆ 「雨風しのげればいい」という価値観のままで
いまだに現場では、「雨風しのげれば十分」という価値観が残っています。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
中にはカビだらけの部屋、シャワーすら壊れたままの施設もあります。
隊員たちは「天幕(テント)で泊まるほうがマシ」と言い、外で寝泊まりすることすらあるのです。
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◆ 若者が来なくなるのは“根性”の問題ではない
今、自衛隊では中途退職が止まらず、新規入隊者も減っています。
これは「最近の若者は根性がない」という話ではありません。
**職場としての環境がもはや成り立たなくなっている**という警告ではないでしょうか。
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◆ SNSで見かける“ちょっと違うな”という声
最近、SNSでこういう投稿を見かけました。
> 「騒いでおけばアイツらがどうにかする、みたいな態度が透けて見える」
この発言に対して、私は少しだけ、言いたいことがあります。
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◆ 騒いでるんじゃない。動いているんです。
実際に、廠舎の問題は 国会で取り上げられています。
質問してくださる議員もいますし、取材や報道を通じて少しずつですが動き始めています。
そんな中で「騒いでおけば、誰かがやってくれるだろうと思ってるんだろ?」という冷笑的な態度をとることは、
→ 真剣に取り組んでいる人々への侮辱 になりかねません。
政策を前に進めるには、国会での議論を通じて、法令や予算の枠組みを動かしていくしかありません。そこに至るまでには、現場で声を上げた人、届けようと動いた人、政策の言葉に変えた人――多くの尽力があります。
その積み重ねを、“冷ややかな視線”で片づけてしまう人がいることに、私は深い悲しみを感じます。
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◆ 「声をあげる」と「政策にする」のあいだで
制度を変えるには、可視化・提言・議論、すべてが必要です。
声をあげるのは、何も“騒いでる”わけじゃない。
責任ある方法で、政策につなげる努力をしているのです。
だから私は、これからも冷静に、誠実に、伝えていきます。
ということでここから詳しい説明をします。 ぜひ、読んでくださいね。