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【自衛隊員と補償】
自衛隊は肉体的な限界にも挑戦しなくてはならない職業である。身体を損傷するリスクは他の公務員に比べて遥かに高い。職務の上で身体を損傷した場合、一般社会では労災だが、公務員では公務災害になる。だが、公務災害が認められるハードルはかなり高い。
公務災害の申請に必要な書類は多く、事実認定に対しても職場の証言などが必要だ。職場が協力的で公務災害認定を積極的に認める姿勢であれば、書類は簡単にあつまるだろう。だが、公務災害が起きたことを認めると、その職場の上司の人事査定に影響する。だから、自分の人事査定を犠牲にしても部下の障害を保証してあげようという上司や職場の同僚がいなければ認定は難しい。
これは公務員全般に対しての問題であり、自衛隊だけではない。それでも、公務災害のリスクが高い自衛隊員の認定の手続きや審査基準が、一般の公務員と同等であることは大きな問題だ。