… … …(記事全文4,176文字)海に四方を囲まれた日本の国境の守りは、海上自衛隊と航空自衛隊が主力となる。今回の不祥事で自衛隊が発表した287人の懲戒の内、多くが海上自衛隊員だ。 CIC等の保全区画に業務のため出入りや配置されていた自衛隊員達。 ・潜水士として、艦艇の船底業務や機雷除去用の水中処分員、そして潜水艦救難用の飽和潜水が可能な卓越した能力をもつ潜水士達 ここまでがすでに懲戒処分の詳細が公表されている。
そして、現在調査中のため、川重裏金問題での潜水艦乗組員たちの懲戒処分の公表はこれからになる。潜水艦乗組員は海上自衛隊員の中でも数パーセントしかなれない。潜水艦乗組員は全員が海上防衛の要となる隊員たちだ。
心配な点は自衛艦隊、潜水艦隊、そして掃海隊群 それを支える潜水士達と海の守りの一番重要な担い手たちが海上自衛隊を離れることだ。自衛隊では、3日以上の停職の懲戒を受けると閑職につかされ、その後は異動も昇任も昇給もなくなる。だから、概ね懲戒を受けた隊員は中途退職する。
今回の懲戒をうけた多くの隊員たちが海上自衛隊を去ることになると危惧している。
今回の懲戒を見て、あわてて次の就職先に隊員達はコンタクトを取り始めている。この波紋は中途退職を考えていなかった隊員達にも広がり、自衛隊から去る人は激増するはずだ。 CS・CGS試験を受けて、いずれは将官になると有望視されている幹部自衛官たちも、転職先さえ決まれば辞めようと画策を始めている。
度重なる不祥事や前代未聞の懲戒処分に自身の立場も危うく感じる隊員達は多い。組織に見切りをつけた隊員達は増々離れていくだろう。だが隣国の脅威は日本を脅かし続けている。
習近平氏の4期目の就任は2027年。このころまでに過去の国家主席と差別化できるハッキリとした偉業をなしえようとしている。3期目の就任時に「祖国の完全な統一を必ず実現」という発言をしている。その上、この祖国統一には武力行使という手段を排除しないと言及している。
中国にとって台湾は分離した省であり、いずれは支配下に置くべきだと考えている。以上のことから、中国は2027年までに台湾を支配下におくために、軍事侵攻をするのではないかと考えられている。 現在、中国による台湾への軍事侵攻が目前に迫っている。その状況下で、国境を守る海上自衛隊の根幹の人材が、あいついで自衛隊を去る。この事件が連続して明らかになることは偶然にしてはできすぎている。厳罰を与えることは法令上仕方ないが、それではその穴埋めの人材はどうやって集めてくるのか、これも難しい問題だ。 潜水艦乗組員を一人前にするために、どれほどの選考と教育が必要かについてここで説明する。今後発表される大量の潜水艦乗組員への懲戒の人数を見た時に、その人々と同等の能力を持つ人を教育して錬成するのにどれほどの時間が必要かを実感していただきたい。
【一人前の潜水艦乗組員に至る道のり】