… … …(記事全文4,711文字)海上自衛隊崩壊 と不祥事 6 必要不可欠な潜水士
です。ニュース朝8時やニッポン・ジャーナル、言論テレビの花田編集長の右向け右等に呼んでいただき、この問題の解説をしてきました。トップ画像は、終戦記念日の講演の案内です。こちらでは、今日本を護るために何をしなければならないかと言う問題について、日本を取り巻く安全保障環境や戦争のゲームチェンジャー「ドローン」等の情報も含め、この問題や自衛隊周辺の問題点を共に考えてもらえる情報を心ある皆様方と共有したいと思います。酷暑の中ですが、ぜひ、話を聞いてください。
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海上自衛隊では艦艇には船底業務等のため、潜水士が配属されている。しかし、潜水士の多くは掃海艇と潜水艦救難艇に所属している。掃海艇では水中処分員として「機雷」除去等の危険な業務に携わる潜水士がいる。
(画像 掃海艇の黄色い機雷掃討用の遠隔操作無人潜水機や 機雷処分具など )
海上自衛隊の潜水士の教育課程は何段階もある。基礎的なダイビングは「専修科開式スクーバ課程」で水深20mまでの潜水を目標としている。この約7週間の課程を終えた潜水士が海上自衛隊の艦艇の船底業務にあたる。護衛艦はかなり大きな船なのでその船が動いているときには、船底部分に引き込まれる強い波ができる。潜水士が船底作業をするのは湾内の比較的穏やかな海が選ばれるが、外海で事故が起きた場合に他に取る方法がなければ潜るしかない。
いちばん浅い潜水業務でも危険と隣り合わせだ。艦艇にとって命綱ともいえる。
潜水士の次の課程はさらに深い水深にたえるものだ。水深40mまで潜れる課程が「海曹士特修科潜水課程」で、ここから選抜された隊員が、水中の危険物を処理する「水中処分員」となる。水中処分員の仕事でまず最初に思い浮かぶのは、「機雷除去」だ。
自衛隊の機雷除去能力は高く、1990年湾岸戦争でペルシャ湾掃海派遣部隊を派遣した。湾岸戦争とはイラクが隣国のクウェートに軍事侵攻し、その全土を半年ほど占領した。国連が多国籍軍を編成して、クウェートを開放した。この時にイラクは ペルシャ湾北部のクウェート沖合いに約1200個の機雷を敷設した。
日本をはじめ多くの国々は中東からの石油に依存している。特に日本は原油の多くを中東に依存していた。機雷で石油が十分に輸送できないのは深刻な問題だった。政府は国際貢献として、ペルシャ湾の機雷除去に乗り出す。この時に派遣されたのが日本の掃海艇だ。機雷は船舶の発する音、金属で作られている船体の磁気、航行時の水圧の変化によって発火する兵器だ。この位置をソナー等で探知し、爆破して除去する。機雷除去はほとんどは人手に頼らず処理できるが、中には難しい事例もある。こういうときに、水中処分員が活躍する。
これも危険度の高い業務だ。