… … …(記事全文2,760文字)2026年の日本のコメ市場は「令和の米騒動」から一転し急激な価格下落局面に入った。一般消費者にとっては朗報だが、生産者にとっては死活問題だ。しかし国は、乱高下する市場に翻弄される生産者を助けるどころか、離農を後押ししているようにすら見える。
●見て見ぬふりする政府
<2026年9月22日 新潟放送>
米の民間在庫は、2025年産米の高値による消費減退と、今年の生産増加が重なり、過去最高水準に達した。6月末時点で243万トン前後と適正水準(180〜200万トン)を大幅に上回り、2026年産新米の概算金(JAなどの集荷業者が生産者に一時的に渡す前払い金)は、前年比2〜4割減、場合によっては半減近い水準で提示されている。新潟の一般コシヒカリは60キロあたり1万8500円程度、福島や青森などでは1万4000円前後まで下がっている。
<2026年9月24日 FNNプライム>
スーパーの新米店頭平均価格も5キロ3000円を割り込むなど、古米より安い逆転現象が起きている。
<2026年9月22日 テレビ新潟>
この価格急落は農家経営を直撃している。帝国データバンクによると、2026年1〜8月だけで米農家の廃業・倒産は32件に上り、過去最多ペースだ。
<2026年9月21日 共同通信>
米農家の高齢化と生産コスト高騰に加え、価格の乱高下が先行き不安を強め、零細農家だけでなく規模拡大を進めてきた担い手にも打撃が及んでいる。手取りが4割減るとの声が現場から上がり、「百姓一揆やらなあかん」といった強い危機感も広がっている。
<2026年9月22日 FNNプライム>
「百姓一揆」一歩手前ともいえるこの状況にもかかわらず、農家への直接補填を真剣に検討する国の姿勢は皆無に近い。
●ザイム真理教
政府が米価の下落局面において農家への直接的な所得補填に背を向ける表向きの理由は、財政負担の抑制、市場原理の尊重、そして大規模経営化の推進だ。
<表向きの理由>
だが、この方針は効率性や経済合理性を過度に優先するあまり、国家の死命を制する安全保障の根幹、すなわち、「食料の絶対的な供給体制」という国家が最も守るべき基盤をなおざりにしている。
「財政負担の抑制」の背後には、いかなる危機的状況下でも歳出削減を絶対正義とする、財務省の過剰な緊縮財政信仰――いわゆる「ザイム真理教」の呪縛がある。






