… … …(記事全文4,654文字)「私はワクチン被害者を可哀想とか、政府をひどいとか思わない。常に無知はそれなりの損害を被る。他人の無知は救ってあげられない。この世は政府だろうと個人だろうと悪い奴だらけ。いちいち『ひどい!』と叫んでてもきりがない。『知らなかった』じゃ済まされない。知らなかったのが残念だっただけ。」
2025年4月8日に、癌患者専門の在宅緩和ケア医・萬田緑平さんがX(旧ツイッター)へ投稿した文章が賛否両論を呼んだ。「自分の選択の結果なのだから、自分で引き受けるしかない」「そうです。そもそも『誰も』強制などしていない」「同意書を読んでサインして打ったはず」「知らなかったじゃなく、知ろうとしなかったでしょ」などと、多くの人が萬田さんの意見に賛同するリプライをつけた。このポストは4月11 日現在で27万回表示され、2700を超える人が「♡」を押している。
一方で、萬田さんに反発するリプも多くついた。「確かに正論。しかし、他者の傷を抉(えぐ)ることや追い打ちをかける事は個人的に避けたい」「私も知識がなければ騙されて打ってしまったかもしれない」「騙す方が、絶対的に圧倒的に悪い」「打たないと実習や仕事をさせないと脅されて打った人を無知と罵るのですか」「ワクチンで被害を受けた人を下に見るような表現」などが主な批判的意見だ。
わたし自身、萬田さんと知り合って、もう十年以上になると思う。著作を拝読して感銘を受け、取材させてもらったのが最初だ。大学病院に勤務していた萬田さんは、無益な延命治療のためにチューブだらけになり、ボロボロになって死んでいく末期がん患者の姿に疑問を持った。それをきっかけに、「その人がその人らしく最期まで生き抜く」のを支えようと、在宅緩和ケア医に転身した。そんな萬田さんの仕事を、わたしは尊敬している。
人の生き死にや現代医療の闇について、真剣に考えてきた萬田さんだ。決して冷酷な人ではない。あの投稿には、文字に書かれている以上のメッセ-ジが込められているとわたしは想像する。「無知であってはいけない。知らないと簡単に騙されて、あなたも被害者になる。被害を受けても、社会から冷たくあしらわれるだけだ。だから、悪い奴らの言うことを鵜呑みにするな」。そんなことを、萬田さんは言いたかったのではないか。
萬田さんの気持ちも分かる。わたし自身も、ネット記事、著作、旧ツイッター等で、コロナワクチンを接種する必要性は低いこと、新規の医薬品の安全性は未知であり、リスクがあり得ることなどを、接種が本格的に始まる前から発信してきた。そして、接種後に被害が顕在化してからも、ワクチン後遺症の実態を記事や著作で世に問うてきた。それでも多くの人が何回も接種し、被害は拡大した。個人的にも、わたしが「接種しないほうがいい」と言ったのに、無視して打った知人がいる。
しかし、それでもわたしは、ワクチン被害者の「自己責任論」に与することはできない。なぜなら、ワクチン被害者が接種をしたのは、「無知」だけでは片づけられない、様々な要因があったからだ。一番大きいのは、ワクチンメーカー、政府・厚労省、医学医療界が接種を推進するために、大手メディアを抱き込んで、徹底した情報操作を行ったことだ。
当時、テレビや新聞は、ワクチンがコロナ収束の「切り札」であるかのように伝えた。その一方で、起こり得るリスクや実際に起こった被害については、ほとんど報道しなかった。YouTube等でも、ワクチンの危険性を伝えようとする人たちはいたが、ガイドラインに違反しているとして、すぐにバン(削除)された。旧ツイッターでは、ワクチンの危険性を知らせようとする投稿がたくさんあったが、高齢者などSNSを使わない層には、ほとんど伝わらなかっただろう。
加えて、ワクチンメーカー、政府厚労省、医学医療界はメディアを利用して、コロナワクチンに反対する我々に対し、「非科学的な反ワクチン」「陰謀論を信じるトンデモ」といったレッテルを貼る印象操作を行った。それを信じた人々には、我々の警告は「戯言」にしか聞こえなかっただろう。「無知」であってはいけないはずの医師たちでさえ、その印象操作に軽々と乗って、ほとんどがワクチンを打ち、非接種者を「差別」した。そのような状況で、ワクチン被害を受けた一般の人たちを、打ったのは「無知」だと責めるのは酷ではなかろうか。
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