… … …(記事全文4,684文字)2025年3月30日、福島市で開催された「私たちは知ってほしい~薬害の現実と、あるべき医療のために」(主催・真実を伝える福島人の会)というシンポジウムの司会を担当した。ファイザー製のコロナワクチン接種後に26歳の若さで亡くなった元Meiji Seikaファルマ社員・影山晃大さんのお父様である影山均さん、新型コロナワクチン後遺症患者の会代表の木村さん、副代表の神谷さん、同会東北支部運営のミルクさん、そして東京理科大学客員研究員で博士(臨床薬学)の堀内有加里さんが登壇。70人以上の方にご来場いただき、とても有意義な会となった。
福島県郡山市は影山晃大さんがMR(製薬会社の営業担当)として担当した地域であり、命を落としたところでもある。均さんが県境を越えて福島に足を踏み入れたのは、亡くなった晃大さんの荷物を片付けるために訪れて以来だという。それだけに今回のイベントは、均さんにとっても特別な思いのあるものだった。サッカーが大好きだった晃大さんは、父親から見てもとてもナイスガイだったという。その息子の死亡届を出すために書類を書かねばならなかった悲しみ、苦しみ、悔しさを、均さんが語ってくれた。決して感情に訴えるのではなく、事実を冷静に伝える語り口が、かえってわたしたちの胸を強く打った。
意外かもしれないが、均さんは晃大さんを採用してくれたMeiji Seikaファルマと、晃大さんにワクチンを打った郡山の医師に対し、「息子がお世話になった」という気持ちもあるという。とくにMRとしての営業相手でもあった医師に対しては、晃大さんがどのような仕事ぶりだったかを聴きたいと思っていたそうだ。だが、主催者が招待したにもかかわらず、その医師は来場しなかった。
均さんは決して会社や医師に恨みをぶつけるのではなく、「不利益な情報も公平に伝えてほしい」「国やマスコミの情報ばかりを鵜呑みにしないでほしい」、そして「自分たちと同じ悲劇を二度と繰り返さないでほしい」と何度も訴えていた。わたしはMeiji Seikaファルマの関係者や接種に携わった医師たちも晃大さんの墓前で手を合わせるとともに、いつか均さんやご家族の話に耳を傾けてほしいと願っている。
そして、均さんの話に続いて今回のシンポジウムで重要だと感じたのが、「新型コロナワクチン後遺症患者の会」(以下、患者の会)が明かした、会員への新たなアンケート結果(2025年1月)だった。それを見て、コロナワクチンの薬害はいまも終わっておらず、被害者たちが苦しみ続けていることをあらためて強く認識した。多くの人がコロナワクチンの接種が強要され、被害を訴える人が多発した頃のことを、もはや忘れかけているようだ。しかし、数多くの被害者たちが、社会から置き去りにされている。わたしはジャーナリストとして、あらためてコロナワクチンの薬害を社会に伝えなければならないと思った。
患者の会の会員は25年3月28日現在で1371名に達しているが、アンケートによると多くの人たちが、いまも生活に大きな影響を及ぼす症状に苦しみ続けている。主な症状は、「強い倦怠感・疲労感」(72%)、「痛み(36%)、頭痛(42%)、胸痛(39%)」、「集中力低下(51%)・もの忘れ(38%)」、「しびれ(41%)・手足に力が入らない(41%)、立っていられない(33%)・歩けない(42%)、「息苦しさ(39%)・動悸(36%)」などだ。アンケートに回答した605名のうち、半数近く(46.1%)が改善傾向にある一方で、「不変・判断できず」(32.7%)と「悪化傾向」(21.2%)を合わせると、半数以上(53.9%)がよくなっていない。
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