… … …(記事全文4,101文字)レプリコンワクチンの個体間伝播による「ワクチンハザード」は起こらなかった。少なくとも顕在化しておらず、社会問題にはなっていない。それを忘れさせようとしているのか、レプリコンの恐怖を煽ってきた同じ人たちが、今度はまた「DNA汚染問題」に火を着けようとしているようだ。X(旧ツイッター)では相変わらず、「DNA汚染重視派」が、異論を唱える人たちに絡み続けている。この3月12日には、反レプリコン運動の理論的支柱となった荒川央氏(ミラノの分子腫瘍学研究所)も「qPCRでコロナワクチンの汚染DNAの定量はできるのか?」という記事をnoteに上げていた。この問題の論争の勃発からすでに1年半以上経ったが、いまだにやっているのかという感が拭えない。
わたしは日本における「DNA汚染」追及は、つまるところ「新田潰し」のための運動だと捉えている。本気でmRNAワクチンにおけるDNA汚染を重大な問題と考えているならば、その怒りの矛先は危険な「汚染ワクチン」を製造販売し続けているファイザー社やモデルナ社、それを推奨し続けている政府厚労省、医学医療界、メディア等に向かうはずだからだ。ところがX(旧ツイッター)では、DNA汚染重視派に異論を唱えた新田剛氏と、彼らになびかなかった我々にばかりに、攻撃の矛先が向けられてきた。つまり彼らは、DNA汚染によってⅿRNAワクチンを止めようなどとは、本気では考えていないのだ。
今回の荒川氏の記事にも、DNA汚染を過小評価するのは「分子生物学の専門知識が不足しているという無知」か「研究者であれば己の研究費を得るという目的のため」、あるいは「人命を軽視してでもmRNAワクチンひいてはLNP/mRNA製剤の持つ致命的な欠陥を隠そうとする意図によるものではないか」という「憶測」が書かれていた。それが新田氏や我々のことを指しているとしたら、「カネのため」という証拠がどこにあるのか。科学者であるならば、確たる証拠もないのに中傷して、シンパたちの憎悪を煽るようなことは書くべきではない。もし新田氏や我々のことではないというのなら、それが誰のことを指すのか荒川氏は明示すべきだ。
立憲民衆党の原口一博衆議院議員が国会に「新型コロナワクチンに関する質問主意書」を提出し、DNA汚染についてたずねたことは知っている。政府からは「暖簾に腕押し」の答弁しか得られていないが、それでもまったく無意味だとは思わない。ただそれ以外に、DNA汚染重視派がワクチンメーカー、政府厚労省、医学医療界、メディア等に対してどんな働きかけをして、どんな成果を得てきたのだろうか。申し訳ないが、わたしは寡聞にして知らない。ましてや一研究者である新田氏を攻撃し続けることに、社会的意義があるとはまったく思えない。論争に勝てばDNA汚染重視派の溜飲は下がるかもしれないが、新田氏が軍門に下ったところでmRNAワクチンやmRNA製剤の開発が止まるなどということは、いくら考えてもあり得ない。
「新田潰しが目的はない」「本気でこの問題を重大視している」というのなら、汚染重視派の研究者たちは、それによって健康被害のリスクがどれくらいあり得るのか、現実としてどんな健康被害が起こっているのか、説得力のある科学的証拠を積み重ねるべきだ。そして、そのリスクを政府厚労省、医学医療界、メディア等に訴えて、ファイザーやモデルナの責任を厳しく追及するべきだ。そうした誠実な動きが見えてきたならば、わたしも応援できるかもしれない。だが、自分たちの主張を認めさせたいがために、憶測で敵対者を中傷し続ける。そんな人たちの輪に、わたしは入れない。そこに社会正義は一つもないからだ。それが、わたしがDNA汚染重視派を支持できない最大の理由だ。
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