… … …(記事全文5,094文字)「ⅿRNAワクチン中止を求める国民連合」(以下、国民連合)と共同で「免疫低下実態調査プロジェクト」を実施する「一般社団法人日本先進医療臨床研究会(JSCSF)」(以下、研究会)は、臨床研究と言いながら被験者に謝礼を支払うどころか、がんなど難病患者に医薬品として未承認の高額なサプリメントを販売している。そして、そのサプリメント代の振込先は、研究会の代表理事・小林平大央(ひでお)氏が社長を務める健康食品会社「株式会社健康長寿医療維新」となっている。
国に医薬品として承認を受けていない健康食品(サプリメントや飲料水など)を、病気を治せるかのように誤認させて広告して販売すれば薬機法違反となる。この研究会は、臨床研究を装ってサプリメントを販売するための「薬機法逃れ」の組織ではないのか。もし国民連合がビジネス目的ではないと主張するならば、こうした疑いのある研究会とは手を切り、一線を画すべきではないか──わたしは前回のウェブマガジンやX(旧ツイッター)で、そのように批判してきた。
この調査プロジェクトを発表した厚生労働省(2024年11月29日)での記者会見で、国民連合の村上康文副代表(東京理科大学名誉教授)と並んで壇上に座った小林平大央氏は、髙橋嗣明著『新型コロナ ワクチン後遺症の早期改善が叶う 薬物を用いない治療方法』(健康出版)という本を掲げながら、次のように発言していた。
「目の前の患者さんを治すというのが私たちのドクターの会なので、ワクチン後遺症を治療する方法というのは、もうほぼほぼ確定していまして、私たちは1000例以上やってきて99・9%治せます」「どうもACE2受容体(筆者注・新型コロナウイルスが細胞へ侵入する際にスパイクタンパク質を接着させる受容体)が亜鉛酵素だというのが分かったものですから、亜鉛が足りてないんじゃないかということで、亜鉛を多量に足したら結構治ってきたので」
なんと、コロナワクチン後遺症の患者を1000例以上診て、「99・9%治せます」と断言するのだ。本当なのか。そこでわたしは、前掲の本を購入して、その中身を読んでみた。すると意外なことに、その本には記者会見で小林氏が強調していた「亜鉛」の話は、まったくと言っていいほど出てこなかった。その代わり「MDα(マトリックス・デトックスα)」というサプリメントの効果や、それを飲んだ人の症例が書かれていた。同書によるとMDαは、「フルボ酸(フルボ酸ミネラル):植物由来」「海藻由来ナノコロイドヨウ素」「植物由来珪素・鉱物由来珪素」「微量ミネラル」で構成されているという。
どうしてそれが様々な病気に効果があるのか。同書によると、「人体の情報を伝達する構造体」である「生体マトリックス」の構造上に重金属や化学物質が異物として存在すると、「情報がスムーズに伝えられなく」なる。それに対してMDαを服用すると、「化学物質を除去」「基礎代謝を元に戻す」「栄養の吸収を改善」「栄養の運搬・利用効率を上げる」「細胞膜を保護」「酵素活性を上げる」「免疫を改善する」などして、生体マトリックスを修復(再結合)する。それによって、「本来人間が兼ね備えている生きるための力を、元の正常な状態に戻す」というのだ。
そして、本書にはMDαを服用して、劇的に病気が改善したというごく簡単な報告が合計で20症例あげられていた。具体的にどのような症状が改善されたとされているのか。
●新型コロナワクチン後遺症(計10症例) 倦怠感、全身の痛み、頭痛、動悸、不正出血、吐き気、食欲不振、ブレインフォグ、脱力感、味覚障害、しびれ等々
●新型コロナ後遺症(計2症例) ブレインフォグ、しびれ、微熱、強い倦怠感、のどの違和感、咳、胸部痛、食欲低下、不眠
●精神疾患(計5症例) 強迫性障害、ひきこもり傾向、パニック障害、不安神経症、胃痛、うつ病等
●起立性調節障害(計3症例) 腹痛、吐き気、下痢、頭痛、睡眠障害、動悸、目眩、湿疹、胸痛、不安、体が重いなどで学校へ行けない
たとえば、新型コロナワクチン後遺症の50代の女性は、2回の接種直後から強い倦怠感と全身の移動する痛みに悩まされるようになり、他院で5ヶ月治療するが改善しなかった。それがMDαの内服だけで、治療1週間でびっくりするほど改善し、尿が良く出るようになった。そして、治療12週で倦怠感も痛みもなくなり、治療を終了したという。また、同じく60代の女性は、接種2回目から一過性健忘になり、3回目から全身の痺れや右足の脱力感などに悩まされるようになった。だが、MDαを1回服用しただけですぐに頭がすっきりし、たった30分で元気になったという。
他にも、精神科に何年も治療していたが良くならず、常に不安が消えなかった30代の女性が、MDαを飲んで1日でよくなったという症例。腹痛・吐き気、下痢があり、学校へ行けていなかった起立性調節障害の男子高校生が、MDαを飲み始めて2ヵ月で学校に行けるようになり、4ヶ月で完治したという症例など、劇的に治った人の話ばかりが紹介されている。
また、MDαは「アトピー性皮膚炎」「膠原病」「キャッスルマン病」「関節リウマチ」「リウマチ性多発筋炎」「高血圧」「糖尿病」「ネフローゼ症候群」「脱毛症」「化学物質、過敏症」にも効果があったという。さらには、これら難病にとどまらず「MDαを使用してガンが改善、または治癒に近い状態で再発せず経過している例は、どんどん増えて」とまで書かれていた。そしてMDαは、驚くことに毛まで生やしてしまう。「突然完全に丈夫な毛が見事に」生えてきて、「半年で完全に毛が生えそろいました」とさ──とにかくMDαが、なんにでも効くように書いてあるのだ。こうした難病や脱毛で苦しんでいる患者や家族は、藁にも縋る思いでいる。本を買ってこうした症例を読めば、多くの患者や家族が「MDα」を試してみたいと思うはずだ。
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