… … …(記事全文5,413文字)「現時点では、ファイザーとモデルナのmRNAワクチン、ノババックスの組み換えたんぱくワクチン、そしてレプリコンワクチンと5種類のものがあり、どのワクチンを受けるのか選べるのですから、ここは冷静に考えたらいいのではないでしょうか。心配であれば、あえてレプリコンワクチンを選ばずに、すでに安全性が明らかになっている従来のmRNAワクチンを選べばいいだけの話です」(週プレNEWS「『レプリコンワクチンはシェディングを引き起こす......』。なぜ根拠のないトンデモ説は信じられてしまうのか? 免疫学の第一人者が解説」2024年11月1日)
「先行しているmRNAワクチンには、国内だけでもすでに1億回以上の接種データが積み上がっている。今、レプリコンワクチンを選ぶのは、ベテランのタクシードライバーがたくさんいるのに、わざわざ仮免のドライバーを選ぶようなもの。接種希望者が少なくなるのは仕方ないのではないでしょうか」(デイリー新潮「『反ワク団体は“闇の経済圏”を形成』レプリコンワクチンを販売する製薬会社が反対運動に真っ向から反論 科学者、医者は対立をどう見ているのか」2024年11月4日)
前者はコロナワクチン慎重の立場から一転、なぜか接種が始まると推進派に転じたことで知られる大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之氏、後者は医療のご意見番的な立場で週刊誌等によくコメントを寄せている医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏のコメントだ。二人ともコロナワクチンに関して医学医療界やマスコミに影響力を持つオピニオンリーダー的存在だが、奇しくもコメントの主旨が似ていないだろうか。
そう、二人とも「レプリコンワクチンが心配なら、ファイザー製やモデルナ製の従来型ⅿRNAワクチンを打てばいい」と言っているのだ。こうしたコメントを寄せたのは両氏だけではない。「反レプリコン」の問題をめぐって、Meiji Seikaファルマが東京理科大学名誉教授の村上康文氏や立憲民主党衆議員議員の原口一博氏らを名誉棄損で訴えると公表した問題で、新聞だけでなく週刊誌等にも多数の記事が書かれたが、両氏と同じような医師のコメントが散見された。
これは偶然と考えるべきか。それとも裏で何か示し合わせてのことなのか。それは分からないが、いずれにせよこのレプリコン騒ぎに乗じて、従来型mRNAワクチンがあたかも「安全で安心」であるかのように国民に思い込ませる流れが作られようとしていると考えたほうがいい。なぜならこれから、コロナに加えてインフルエンザをはじめとする様々なウイルスのmRNAワクチンが登場するからだ。もしⅿRNAワクチンが危険だと国民の意識に定着してしまったら、これに賭けるワクチンメーカーにとっては死活問題となる。国策として研究開発や工場建設に何百億という補助金を出してきた政府にとっても責任問題となりかねない。したがって、コロナワクチン推進側は、是が非でも「mRNAワクチンは安全で安心」と押し通してくるだろう。
だが、我々はそのような推進側の思惑に絶対に乗ってはならない。従来型mRNAワクチンが安全でないことはすでに明らかだ。読者の多くには既知のことだと思うが、2024年10月31日時点で「予防接種健康被害救済制度」の認定数は8328件、うち死亡認定は881件となった。これは過去45年間24種類のワクチンすべての認定数と比べても「2倍以上」、死亡認定数は「5.8倍以上」だ(Xの葵☆Yukari KAMIJIMAさんの2024年11月2日の投稿より)。これを見ただけでも「薬害」が起こっているのは明白だ。
また、「副反応疑い報告」は2024年8月4日までで3万7555件となり、うち重症例は9325件にも及んでいる(医療機関からの報告)。そして、死亡報告は2262件となった(Xの葵☆Yukari KAMIJIMAさんの2024年10月30日の投稿より)。その死亡事例をメーカー別に集計してみると、ファイザー製(コミナティ)が1989件、モデルナ製(スパイクバックス)が269件、アストラゼネカ製(バキスゼブリア)が1件、武田薬品製(ヌバキソビッド)が3件だった。つまり、ファイザー製が約87.9%、モデルナ製が約11.9%で、死亡事例の約99.8%をこの2社が占めるのだ。
この数字を見ても、コロナワクチンの薬害においてファイザーとモデルナの責任がどれほど大きいかが分かる。にもかかわらず、宮坂氏と上氏は両社の従来型mRNAワクチンが、あたかも安全性に実績があり、安心して接種できるかのようにコメントしている。これだけの薬害を出していて、「従来型ⅿRNAワクチンなら安全で安心」などとは、絶対に言えないはずだ。政府が接種を中止して安全性を検証しないどころか、mRNAが自己増殖するワクチンまで承認したことに、むしろ両氏は怒るべきではないか。このようなコメントを無批判に掲載したメディアの責任も重大だ。
両氏のコメントを読んで、わたしと同じように憤りを感じた人もいただろう。ただ、それと同時に、わたしたちは反ワクチン側の問題にも目を向けなければならない。このようなコメントが週刊誌記事などでまかり通るようになった要因は、明らかにレプリコンばかりにこだわって運動を展開した過激な「反ワクチン」の人たちの側にある。シェディング(個体間伝播)のリスクをめぐって「内ゲバ」が起こっている間に、接種開始からの3年の間に積み上がった従来型mRNAワクチンのリスクに関する議論が、公論の舞台にあまり上らなくなってしまったのだ。
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