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X(ツイッター)では言えない本音

鳥集徹(ジャーナリスト)

鳥集徹

#63 原口氏も米山氏も「被害者の声」を聴くべきだ ~【コロナワクチン】立憲民主党の政治責任を問う~

2024年10月25日、「Meiji Seikaファルマ(以下、明治)が、立憲民主党衆議員議員の原口一博氏を名誉棄損で訴える方針を固めた」と、医薬業界向けニュースサイト「ミクスOnline」が報じた。衆院選翌日の10月28日には共同通信も提訴を報じ、産経新聞、東京新聞、地方紙等も記事を掲載した。共同が明治に当ててウラが取れたことで、記事にしたのだろう。いずれ原口氏も法廷に立つことになるのは、間違いなさそうだ。

 

この報道を受けて、比例近畿ブロックで復活当選したばかりの大石晃子氏(れいわ新選組共同代表)が28日夜、「レプリコンワクチン製薬会社が批判者を訴えるのは、許されない。原口議員の考えがどうかは関係ない。これはワクチンを不安に思う全ての国民への脅し」と、産経新聞の投稿を引用してX(旧ツイッター)にポストした。それをまた産経新聞が取り上げて記事にし、Xでは賛否両論が飛び交ったが、今度はこれに立憲民主党衆議員議員の米山隆一氏が反応し、大石氏の投稿を引用して次のようにXにポストした。

 

「これは無茶です。レプリコンワクチンへの不安はそれは表明して構いませんし、それが非科学的断定でないなら名誉棄損等は成立しないので、製薬会社も提訴しません。一方、それが不安に基づくものでも、公然と非科学的断定をすれば、された側には、名誉棄損等で訴える権利があるのが法治国家です。」(2024年10月30日の投稿、文章はママ)

 

これについては、医師でもあり弁護士でもある米山氏の見解は間違ってはいない。憲法第32条に「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」と規定されている。「権力者や大企業が個人を訴えるのは、極めて抑制的であるべきだ」という考えは理解できるが、それを「許されない」とまで言ってしまったら、「企業のやることが気に入らなければウソでもなんでも言って評判を落としていい」ということになってしまう。レプリコンワクチンに対する原口氏の主張が名誉棄損に当たるかどうかは、裁判所で決着をつけるしかない。

 

一方、この米山氏の投稿に対して、「茂吉」というアカウント名の人が、次のような極めて真っ当なリプライをした。「ⅿRNAワクチンを不安に思う国民や反対する学者は沢山います。与党がやらないのはわかるけど、どうして立憲はワクチンの安全性について調査会など国会で立ち上げていただけないのですか? それで安全だと判断されるなら立憲として安全宣言をされたらいい。それが野党の責任ではないですか?」。ところが、これを引用して米山氏がこんな信じがたい投稿をした。

 

「科学的判断は科学的機関が行います。政党は科学的機関の科学的判断に基づいて、政治的判断を行います。立憲民主党は、多くの科学的機関の、mRNAワクチンには、全てのワクチンに認められる以上の副反応はなく、対象疾患を防止する明らかなベネフィットがあるという判断を支持する政治的判断をしています」(同年10月30日、文章はママ)

 

米山氏の言う「科学的判断」「科学的機関」とは、いったい何を指すのだろうか。米山氏は「全てのワクチンに認められる以上の副反応はなく」と書いているが、「副反応疑い報告」の件数や「予防接種健康被害救済制度」の認定数を見れば、過去のワクチンをすべて足しても比較にならないほどの甚大な健康被害が起こっているのは明らかだ。しかも接種開始後に日本人の総死亡が急増し、その原因はいまだ科学的に検証されていない。にもかかわらず、立憲民主党は何をもって、「対象疾患を防止する明らかなベネフィットがある」という判断を支持しているのだろうか。

 

自民党および公明党政権の下で、厚生労働省はmRNAワクチンの薬害を「ないもの」にしようとしてきた。その欺瞞を暴き、政府与党が起こした薬害の責任を追及することこそが、野党第一党に課せられた使命のはずだ。「科学的判断」「科学的機関」などという権威を隠れ蓑にして、政府与党と一緒に薬害の隠蔽に手を貸しているとしたら、本末転倒だ。立憲民主党をはじめとする野党の多くが「新型コロナの感染拡大は政府のせい」「ワクチンの獲得と供給が遅い」と言って、コロナ騒ぎを政府批判の道具にした。そうやって自分たちも薬害拡大に加担したから、mRNAワクチンを擁護しているのではないのか。

 

米山氏のポストを引用して、わたしも10月31日に上記の旨の投稿を行った。すると米山氏は、数分も経たないうちにわたしをブロックしたのである。心の底から驚いたとともに、怒りが湧いた。まるで、初代ワクチン担当大臣でありながら薬害の責任から逃げ続けている、「ブロック太郎」こと河野太郎氏と同じではないか。自分たちの責任逃れのために、健康被害で苦しんでいる人たちを無視するのか。それが「立憲主義」「民主主義」の名を冠した野党第一党の議員のすることなのだろうか。機会があれば、立憲民主党の野田佳彦代表にも、ぜひこの件について考えを問い質してみたい。

 

そして、同じ立憲民主党に籍を置きながら、コロナワクチンについては米山氏と対局にある原口氏にも注文をつけたい。ミクスOnlineの記事によると明治は、原口氏が選挙前からレプリコンワクチンについて「非科学的な主張」(明治の言い分)を繰り返し、さらに選挙運動用ビラや選挙公報でも同様の記載をして、「悪意のある名誉棄損と判断した」のだという。「日本復興! 命を守る!」という惹句が目立つ、原口氏の今回の選挙公報を確認してみると、「①日本独立」「②日本復興」「③日本救世」という3つの項目があり、そのうちの「③日本救世」には、次のような文章が載っていた。

… … …(記事全文5,726文字)
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