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小川榮太郎「批評家の手帖から」

小川榮太郎(文藝評論家)

小川榮太郎

福岡憂国忌 令和4年11月23日 『吉田松陰、三島由紀夫、そして安倍晋三』(1)

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00276/20221205093344102764 //////////////////////////////////////////////////////////////// 小川榮太郎の大放談「炎上御免!」 https://foomii.com/00276 ////////////////////////////////////////////////////////////////  本日は、応神天皇をお祀りする筥崎宮という戦の宮、亀山上皇の『敵國降伏』といふ勅額を掲げた地において、皆様と一緒に御神事にも参加させていただき、こうしてお話をするというのも縁あってのことと存じます。  縁の結びということが、日本の最も深い思想であって、結ぶ、生すということ、今日は藤井さんとのご縁でこうして一つの結びが生じた。それもお仏壇の長谷川さんとの縁があって福岡で私の勉強会を毎月していただいている、それに御参加くださってのことです。勉強会を立ち上げていただくには九州電力の松尾新吾さんが10年来、ご夫妻で私の著書や番組をよく御覧いただいていて、そうした縁があって軌道に乗ることになりました。これも縁であります。 では、長谷川さんと私の縁はどういうことかと申しますと、安倍晋三総理のお招きの席でした。安倍さんが第二次政権の誕生後、知己を招いての会食を連夜持っておられたその一夕において初めて長谷川さんとお会いしました。長谷川さんとは以来各所で御挨拶をする事が重なりましたが、とりわけ3年前でしょうか、福岡での私の講演を機に急速に志において近しくなり、最近では日本各地で足繫くお会いする機会を頂戴することになり、本日もお越しくださっておられます。 それでは私と安倍さんの縁はと遡りますと、これは民主党政権時代のことです。菅直人政権の時に東日本大震災が発生した。その後の原発危機、津波の後の処置などもう目も当てられないほど悲惨な政権でした。その時、私は日本はこのままでは潰れると思った。どうすべきか。私は人を批判する事を好みません。批判するなら行動します。菅直人を批判しても始まらない。私は誰を総理にすべきか、頭を取るべきだ、玉を取るべきだと考えた。考えたと言ったって著書もまだない、文藝評論を書いているだけの一介の若造です。日本会議も自民党も何も知らない。組織なんて一つも属していない。集会にも顔を出したことはない。政治家も一人も知らない。頭の中は川端康成だとかゲーテとかベートーヴェンとかで占められている。
… … …(記事全文3,555文字)
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