… … …(記事全文3,920文字)◆きっかけは『しんぶん赤旗』のスクープ
永田町が揺れています。連日、メディアが大騒ぎの政治資金パーティ券問題、最初に取り上げたのは去年11月6日の「しんぶん赤旗日曜版」でした。自民党の五派閥[広池会(岸田派)、志公会(麻生派)、平成研究会(茂木派)、志帥会(二階派)、清和政策研究会(安倍派)]のパーティ券収入に関して政治資金収支報告書に記載されていないものがあることをスクープしました。さらに「告発マニア」(と呼ばれているかどうかは知りませんが、そういう異名を取ってもおかしくないぐらい、いろいろ告発している)、神戸学院大学の上脇博之教授が去年11月から今年10月まで、何度もこの件を東京地検に刑事告発し、地検特捜部による捜査が水面下で行われてきました。
永田町に詳しい人なら、派閥の裏金作りの手口のひとつに政治資金パーティがあることは以前から知っていたはずです。ただ、議員がノルマ以上のパーティ券を売りさばいた場合、ノルマ超過分が派閥からその議員にキックバックされることはあまり知られていません。たとえばA議員のノルマが100枚(2万円×100=200万円)だった場合、がんばって150枚売れば50枚分の100万円が現金でA議員にキックバック(還流)される、そういう仕組みになっていたのです。もちろん、派閥側が100万円の支出、議員側が100万円の収入を、それぞれの政治資金収支報告書にきちんと記載していれば、問題はありません。
しかし安倍派や二階派の一部(もしかしたら他の派閥の議員も)は、派閥側も議員側も記載せず、この仕組みを裏金作りに利用してきたようです。現時点ではまだ名前が明らかにされていませんが、安倍派には5年間で9,000万円ものキックバックを受けていた大物議員もいると報じられています。