… … …(記事全文2,985文字)習近平中国共産党総書記・国家主席が9月23日から25日まで3日間訪米し、トランプ米大統領と会談した。25日にホワイトハウスが発表した成果文書には米中両首脳が「第2次世界大戦において、米中が同盟国であり、勝利のために肩を並べて戦ったことを振り返った」と明記するなど、トランプ米大統領が習近平総書記を対等なパートナーと持ち上げた。このことを以て、「米中G2」関係が進むと衝撃を受けている向きもある。「ツキディディスの罠」(新興大国が急速に台頭し、既存の覇権国の地位を脅かす際、両者の間に恐怖や猜疑心が生まれ、望まない戦争へと突入してしまう危険性を示す国際政治学の用語)を好み、そうならないように米国を誘うように腐心する習氏の思うつぼだというのである。だが、それは不動産業者らしくディールを好むトランプ流であり、覇権国としての戦略に基づくわけではない。米国のエスタブリッシュメントは共和、民主党とも覇権の維持に執着している。基軸通貨ドル、ドル金融市場、AI、先端半導体、石油・天然ガス、戦略鉱物資源、穀物市場などの支配で米国が中国に譲ることはありえない。トランプ氏ももちろんその線は崩さず、「対等」関係を対面にする習氏に口を合わせて、米国産石炭や穀物、ボーイングを売りつけるだけのことである。
習氏にしてみれば、トランプ氏がレームダックに陥ればとちどころに「同盟国」のフレーズは雲散霧消してしまう。第2次大戦の「同盟国」とは、蒋介石の「中華民国」であり、共産主義中国は中華民国を台湾に押し込めた。その台湾は国連から脱退したものの、「中華民国」として存続している。トランプ氏が「同盟国中国」と言うと、中華人民共和国建国が1949年10月であることを一般には想起させ、共産主義中国への違和感を際立たせる。そうするとトランプ氏は図らずも習氏をからかうブラックユーモアを放っただけかもしれない。共産中国が台湾を吸収統合しない限り、ツキディディス流新興大国にはならないのである。
その焦りが習氏にはあるだろう。だから、習氏はトランプ氏に対し、年内11月にAPEC首脳会議(中国・深圳)、12月予定のG20首脳会議(米マイアミ)でさらに2度トランプ氏と会談するんだと念を押した。
習近平自身も足下が揺らいでいる。不動産バブル崩壊不況だ。不況を隠すために、経済に関するありとあらゆる情報を隠ぺいし、弾圧する。
中国GDPの真相をどう見抜くかについて述べてみよう。やや専門的になるが、GDPとは何かについての簡単な基礎知識さえあれば、だれでも計算できる。やり方はGDPを構成する主要項目の原データを精査し、再計算すればよい。
中国国家統計局が7月15日に発表した本年1-6月期の実質国内総生産(GDP)の前年同期比伸び率は4.3%である。日本の経済メディアは一応「中国内需は不振」と指摘する一方で、中国が新産業分野で世界シェアをぐんぐん伸ばしていると報じる。中国経済は消費が停滞していても、経済は順調に拡大しており、活気に満ちているという。お湯は冷え切っているのに、表面上は煮え立っていると言わんばかりで、これではわけがわからない。
真相は何か。
